映画

「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」読了

太田直子「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」(光文社新書)を読了した。字幕翻訳家が書いたエッセイだ。字幕翻訳稼業の苦労話だけではなく、昨今の日本語の乱れが指摘されていて面白い本だった。字幕翻訳に興味のある人だけでなく、昨今の日本語の…

「ナルニア国物語」のHe111爆撃機

帰宅すると、妻子が「ナルニア国物語」の貸しDVDを観ていた。彼女らは、完璧に春休みモードである。以前、旅客機の中で断片的に観て、映像の綺麗な作品だな、という印象が残っている。夕飯を食べながら、最後まで付き合って観た。全編が終わると、やおら、冒…

「善き人のためのソナタ」

朝、娘たちは、小学校の釣部の合宿に出かけた。夕方、卒業を明日に控えた妻は、謝恩会にいそいそと出かけていった。一人取り残された私は、映画でも観に行こうと思い立つ。前から観たかったドイツ映画「善き人のためのソナタ」である。川崎まで出て、チネチ…

「ALWAYS 三丁目の夕日」の都電

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」には、都電が数多く登場する。これらの映像を手掛かりにわかることは何か。【夕日町三丁目はどこか。】 この映画の舞台となっている「東京の下町・夕日町三丁目」は、実際の場所のどこに相当するのだろうか。建築中の東京タワー…

「ALWAYS 三丁目の夕日」

先週の土曜日に東京タワーに行ったのに触発されてか、妻が映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のDVDを貸しビデオ屋から借りてきた。公開時に観逃したまま、気になっていた映画だ。夜、妻と二人で観る。心温まるいい映画だった。脚本はよく練られており、出演者は、…

パプリカ

夜、チネチッタに映画「パプリカ」を観に行く。21:40からの回である。面白い映画だった。CGを濫用せず、セル画を中心にこれだけ稠密な絵を描いたのは賞賛に値する。現時点での、日本のアニメーション映画の頂点を示していると言っていいだろう。主題や世界観…

「硫黄島からの手紙」

午前中から冷たい雨が降っている。こういう日は映画に限る。先日観た「父親たちの星条旗」の続編「硫黄島からの手紙」を観に行くことにする。今日が封切である。夕方、家族で新百合ヶ丘に出かける。心に沁みる映画だった。日本側の視点からすれば、「父親た…

「父親たちの星条旗」*4

午後から雨になった。こういう日は映画だということで、「父親たちの星条旗」を新百合ヶ丘に観に行くことにする。アメリカでのレーティングを調べると「R」だったので、ちょっと迷ったのだが、思い切って娘たちも連れていくことにした。長女は、「アメリカ人…

「月光の夏」

妻が珍しく映画「月光の夏」のDVDがほしいと言ったので、amazonに注文した。今週届いたので、夜、二人で観る。正直に言うと、ちょっと期待外れだった。期待が大きすぎたと言うべきかもしれない。特攻隊員が出撃の前日に佐賀県鳥栖小学校のフッベル・ピアノで…

火之神公園

国道226号線に戻り、西進する。東シナ海が左手に広がり、気持ちのよい道だ。昨日、新日本石油基地を見学したせいか、ENEOSの給油所ばかり目につく。途中、薩摩酒造の頴娃蒸留所があった。薩摩酒造の主力工場だ。枕崎の町を抜けて火之神公園に行く。映画「男…

「ゲド戦記」の「原案」

映画「ゲド戦記」のパンフレットに、「この映画にはオリジナルコンセプト、強いて訳せば"原案"ともいうべき作品があります。それは、(中略)『シュナの旅』です。」という記述がある。「あれ、そうだっけ。」と思い、本棚の奥から引っ張り出して、再読して…

ゲド戦記

観終わった後の娘たちとの会話。 私「君たち、どうだった?」 次女「普通。」 長女「パパ、『猫の恩返し』とどっちが面白かった?」世上言われているほど駄作ではないが、とても傑作とは呼べない。この程度の長編アニメ映画は、いくらでもあるだろう。まず、脚…

カーズ

今日の映画は「カーズ」である。「カーズ」の前に、の短編映画「ワン・マン・バンド」が上映される。面白い。ピクサーの短編映画はいずれも秀作揃いだ。本編の「カーズ」は、自動車、西部、ルート66、60年代のポップカルチャー等に対する郷愁が色濃く出てお…

ブレイブ・ストーリー

映画「ブレイブ・ストーリー」を急に観たくなったので、夕方、家族で新百合ヶ丘に出かける。なかなかよくできた映画だった。「運命は変えられるのか。」「運命を変えるためには、何をしてもいいのか。」という重いテーマにきちんと取り組んでいる。その意味…

鉄塔武蔵野線

昨日、amazonから届いた映画「鉄塔武蔵野線」のDVDを観る。原作の淡々とした雰囲気をよく伝えている。映画的なカタルシスはほとんどなく、ほとんど環境ビデオのような素っ気なさだ。灼きつける日差し、カルキくさいプール、乾いた砂埃、むせるような草いきれ…

チャイニーズシアターと「マジェスティック」

仕事の途中、チャイニーズシアターの前を通りかかった。出張の直前にビデオで観た映画「マジェスティック」の冒頭に登場した場所だ。「マジェスティック」はいい映画だった。映画への愛、父子愛、祖国愛、郷土愛といったアメリカ文化の健全な側面を描いてい…

立喰師列伝

夜、川崎のチネチッタに押井守監督の最新作「立喰師列伝」を観に行く。21:30からのレイトショウである。興行的成功はもちろんのこと、観客の期待や感動などの一切を度外視し、監督が作りたい映画を作りたいように作ったという点で、商業映画としては稀有な作…

アメリカの対独戦映画

夜、NHK-BS2でTV映画「コンバット!」を放送していた。予想通り、ドイツ軍が愚劣な軍隊として描かれている。アメリカ人は、ドイツ軍を打ち負かしたことがよほどうれしかったと見える。ドイツ軍の戦車が登場する場面では、記録映画の映像が用いられ、I号戦車…

「戦艦シュペー号の最後」

夜、NHK-BS2で映画「戦艦シュペー号の最後」をやっていた。戦勝国イギリスが作ったお気楽な映画という感じだった。特に、ラ・プラタ河口で戦艦「グラフ・シュペー」が自沈した後、艦長ハンス・ランクスドルフ大佐と「グラフ・シュペー」に拿捕された英商船船…

「コープスブライド」

妻が借りてきた映画「コープスブライド」のDVDを観る。やはりよくできた映画だ。ラストには泣ける(妻子といっしょでなければ、比喩でなくなったところだ)。今回気づいたのは、エヴァーグロット家の玄関ホールのグランドピアノに「HARRYHAUSEN」という銘板…

「チャーリーとチョコレート工場」と「ツァラトゥストラ」

映画「チャーリーとチョコレート工場」にシュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭「日の出」が用いられている。チョコレートが映画「2001年宇宙の旅」のモノリスのように扱われるパロディ場面の背景に流れる。エンドクレジットには、デ…

「チャーリーとチョコレート工場」

妻子が借りてきた映画「チャーリーとチョコレート工場」のビデオを観る。正直、この色彩感にはついていきかねる。ワンカ父子*1再開のエピソードは心温まるが、そこに至るまでの工場見学ツアーは、大人の鑑賞には耐えない。ジョニー・デップ*2の美しい発音の…

「ゴジラ」の旅客機

映画「ゴジラ」(1954)には、往年の旅客機も登場する。「外国調査団次々と到着」という新聞の見出しに続いて、羽田空港に到着する旅客機が映し出される。いずれも、当時しのぎを削っていた新鋭4発レシプロ機である。 【B377】 今は亡きパンアメリカン航空の…

「ゴジラ」の実写兵器

映画「ゴジラ」(1954)には、さまざまな兵器の実写が出てくる。当時最新鋭のものばかりであり、再軍備を果たした日本人の誇りが滲み出てくるようだ。主なものは以下の通り。 【巡視船PM20「こうず」・PM21「しきね」】 大戸島災害調査団の一行を運ぶのは、…

ゴジラ

昨日、貸ビデオ屋から借りてきた映画「ゴジラ」を観終えた。第五福竜丸事件のあった1954年の製作・公開なので、観直したくなったのである。さすがに、今の水準からすると、遅いテンポや紋切り型の台詞などに時代を感じる。しかし、この一作で怪獣映画という…

ヒトラー〜最期の12日間〜

先週末にamazonから届いた「ヒトラー〜最期の12日間〜」のDVDを観終えた。155分の長尺なので、週末に観切れなかったのだ。敗戦後60年近くを経て、ドイツがこの映画を製作し、日本が「男たちの大和」を製作したのは象徴的である。逆に言えば、いずれの民族も…

アレイからすこじま

続いて、呉海軍工廠電気部の煉瓦建造物だった倉庫が並ぶアレイからすこじまに行く。倉庫前の岸壁が公園として整備されており、映画「男たちの大和」で菊水一号作戦に出撃する「大和」乗組員を家族が見送る場面が撮影されたところである。また、「日本で一番…

厳島神社

「大和」のロケセットの見学が予定よりも早く終わったので、岩子島の厳島神社に行くことにする。映画「男たちの大和」の主人公・神尾克己の実家の撮影に使われた場所である。国道2号線から尾道大橋を渡り、向島に渡る。さらに岩子島に渡り、海岸沿いの道を進…

大和ロケセット見学

広島空港で予約していたレンタカーを借り出す。ホンダのフィットだ。ブレーキの遊びといい、アクセルの吹け上がりといい、ホンダ車はいい印象がない。本郷ICから山陽自動車道に乗り、尾道ICで下りる。ETCが使えるので便利だ。国道184号線を尾道まで南下する…

男たちの大和/YAMATOその2

1週間のうちに、同じ映画を二度映画館で観るのは初めてだ。18:30からの回だったが、7番スクリーンは満席だった。インターネットで予約してきてよかった。長女は、道すがら「私に断りもなしに勝手に予約した。観たくもないのに。」とむくれていたが、映画終了…