ヒトラー〜最期の12日間〜

先週末にamazonから届いた「ヒトラー〜最期の12日間〜」のDVDを観終えた。155分の長尺なので、週末に観切れなかったのだ。敗戦後60年近くを経て、ドイツがこの映画を製作し、日本が「男たちの大和」を製作したのは象徴的である。逆に言えば、いずれの民族も、第2次世界大戦や太平洋戦争を相対化するのに60年の月日を要したということだろう。「ヒトラー」の方は、ドキュメンタリーとも言えるほど、客観的かつ冷徹な描写が印象的だ。今回改めて気づいたが、無名のドイツ軍将兵やベルリン市民が死ぬ場面は山ほどある一方、死亡の現場が第三者によって目撃されていない歴史上の人物については、その直接的描写を慎重に回避している。すなわち、ヒトラー夫妻、ゲッペルス夫妻、クノープス大将、ブルクドルフ大将、グラーヴィッツ教授らである。このことだけからも、製作者たちが客観的描写に努めたことが窺える。それだけに、マクダ・ゲッペルスによる「子殺し」の場面は、凄惨を極める。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20051014
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]