「戦艦シュペー号の最後」

夜、NHK-BS2で映画「戦艦シュペー号の最後」をやっていた。戦勝国イギリスが作ったお気楽な映画という感じだった。特に、ラ・プラタ河口で戦艦「グラフ・シュペー」が自沈した後、艦長ハンス・ランクスドルフ大佐と「グラフ・シュペー」に拿捕された英商船船長の会話の場面を設けて、船長に「誰もがあなたが責任を取って艦と運命を共にしたと思っていた。」といった趣旨の台詞を言わせ、あたかも、ランクスドルフ艦長が責任を逃れて生き延びたかのごとき印象を与えているのは非難に値する。ランクスドルフ艦長は、部下たちとブエノスアイレスに脱出し、「グラフ・シュペー」自沈の2日後、1939年12月19日にひとり拳銃自殺を遂げている。遺書には、「グラフ・シュペー自沈の全責任は自分にある。」とあったという。