軍事

「俺は、君のためにこそ死ににいく」

夜、新百合ヶ丘のレイトショウで映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」を観た。知覧から沖縄に向けて出撃した帝国陸軍特別攻撃隊を描いた期待の映画だ。困った映画である。特攻の史実を後世に伝えようという製作意図は崇高であるし、戦争なかんずく特攻を…

「World War IIの兵器DVD BOX」

書店で「World War IIの兵器DVD BOX」と題するDVDムックを見かけた。いかにもキワモノっぽい胡散臭い装丁だ。しかし、160分で980円という値段に目が眩み、つい買ってしまった。視聴してみると、既存のDVD製品に収録された映像のつぎはぎで、一貫性のないこと…

旧帝国陸軍第一師団歩兵第三聯隊新兵舎

国立新美術館は、東京大学生産技術研究所の移転跡地に建設されたものだが、この生産研の建物は、戦前は旧帝国陸軍第一師団歩兵第三聯隊の新兵舎だったものだ。美術館の1階ホールに新兵舎の1/100の模型が展示され、説明パネルもあった。歩兵第三聯隊は、二・…

「蝶々夫人」のUSS「エイブラハム・リンカーン」

プッチーニの歌劇「蝶々夫人」に登場するピンカートンは、アメリカ海軍の「エイブラハム・リンカーン」の乗組士官という設定になっている。果たして、USS「エイブラハム・リンカーン」は実在したのか。米国海軍史上、USS「エイブラハム・リンカーン」は2隻あ…

「ナルニア国物語」のHe111爆撃機

帰宅すると、妻子が「ナルニア国物語」の貸しDVDを観ていた。彼女らは、完璧に春休みモードである。以前、旅客機の中で断片的に観て、映像の綺麗な作品だな、という印象が残っている。夕飯を食べながら、最後まで付き合って観た。全編が終わると、やおら、冒…

震電

開封屋で「チョコエッグ・世界の戦闘機シリーズ第3弾」で出ていた海軍十八試局地戦闘機「震電」があった。前から探していたものなので、迷わず買う。帰宅後、組み立ててみると、縮尺は前後・左右ともに約1/142なので、1/144航空機のコレクションに加えてよさ…

「十七歳の硫黄島」読了

秋草鶴次「十七歳の硫黄島」(文春文庫)を読了した。21,000名余の硫黄島守備隊のうち、わずか1,023名が捕虜となったが、筆者はその数少ない生存者の一人である。筆者は、栗林司令部の突撃により日本軍の組織的抵抗が終焉した1945年3月26日から約2ケ月後の5…

「散るぞ悲しき」読了

梯久美子の「散るぞ悲しき」を読了した。硫黄島防衛戦の指揮官・小笠原兵団長栗林忠道陸軍中将を描いたノンフィクションである。栗林中将が妻子に宛てた書簡を機軸に硫黄島防衛戦史を丹念に辿っている。栗林中将の合理主義者・家庭主義者の側面が強調されて…

マイクロアーマーシリーズ第17弾

「マイクロアーマー(MA)」シリーズ第17弾「ドイツ突撃砲」が出たので、会社の帰りにヨドバシカメラに寄って買う。コンプリートするつもりもないので、適当に3箱選ぶ。帰宅後開封してみると、III号突撃砲F8型が2輌とIII号突撃砲G型だった。F8型がダブったの…

双発機コレクション2

先日箱買いした「双発機コレクション2」から、He219A-7を作る。シークレットも含めて3種類が手元にあるが、夜間戦闘機らしく、胴体下面を黒く塗った第1夜間戦闘航空団第1飛行隊第1中隊TH号機を選ぶ。ドイツ空軍の夜間戦闘機の特徴であるリヒテンシュタイン・…

双発機コレクション2

エフトイズから「双発機コレクション2」が出た。帝国海軍の夜間戦闘機「月光」と帝国陸軍の二式複座戦闘機「屠龍」が含まれており、しかも型式の違うモデルが2種類ずつラインナップされている。日本軍機は人気があるので、この先、開封屋でもなかなか手に入…

聖徳記念絵画館

神宮外苑のいちょう並木に行ってみると、黄色く色づいているのは三分の一くらいで、まだ青々としている。今年も秋の訪れが遅いようだ。 いちょう並木を抜けて、聖徳記念絵画館に行く。ここは、明治天皇・昭憲皇太后にまつわる史実を描いた絵画を集めた歴史美…

「月光の夏」

妻が珍しく映画「月光の夏」のDVDがほしいと言ったので、amazonに注文した。今週届いたので、夜、二人で観る。正直に言うと、ちょっと期待外れだった。期待が大きすぎたと言うべきかもしれない。特攻隊員が出撃の前日に佐賀県鳥栖小学校のフッベル・ピアノで…

「長門」と「陸奥」のプラモデル

これまた、以前にamazonに予約注文していた戦艦「長門」、同「陸奥」のプラモデルが届く。よりによって、ムラヴィンスキーのDVDと同じ日に配達されるとは、決まりの悪いことである。これらは、洋上モデルが中心の1/700の艦船模型の中にあって、珍しく船体も…

現役最古参のYS-11

飛行機展示場の一番端で我々を待っていたのが、今日の目的とも言えるYS-11-103FCである。幸運なことに、駐機していた飛行点検隊(入間基地)所属の52-1151号機は、製造番号2008。現役のYS-11の中では最古参の機体だ。1965年の就役以来、41年以上も飛び続けて…

航空自衛隊・海上自衛隊の軍用機その2

「ブルーインパルス」の飛行展示が終わると、ようやく前進できるようになったので、飛行機展示の残りの航空機を見て歩く。救難ヘリコプターUH-60J(18-4551号機)、海上自衛隊・哨戒ヘリコプターSH-60K(121-8414号機)、輸送ヘリコプターCH-47J(492号機)…

ブルーインパルスの展示飛行

飛行機展示場の中央部に近づくにつれて、13時からの松島基地第4航空団第11飛行隊・通称「ブルーインパルス」の展示飛行を待つ人たちで溢れ返り、前進もままならなくなった。我々も、飛行機展示場の中央部で「ブルーインパルス」の展示飛行を見ることにする。…

航空自衛隊・海上自衛隊の軍用機その1

基地隊員の誘導に従って、西武線の線路を渡り、基地内に入る。飛行場へ直進すると混雑するというので、左に迂回し、RWY17の方から飛行機展示場に入る。真っ先に目に入るのは、今年3月に退役したばかりのF-1支援戦闘機である。現在、入間基地で保管されている…

入間航空祭

今日は、天気もいいので入間航空祭に行くことにする。と、さくっとした書き出しだが、実は数日前、仕事で銀座一丁目に行った際、地下鉄有楽町線の駅で入間航空祭のポスターを見かけて、俄然行きたくなっていたのである。予想されたこととは言え、妻子はあま…

「零戦」21型のフィギュア

国立科学博物館のミュージアムショップに「科博所蔵品再現モデル」と称した「零戦」21型のフィギュアを売っていた。950円と手頃な値段だったので、思わず買ってしまった。箱の大きさから、1/100程度の半端スケールかと思っていたが、帰宅後開封してみると、…

「零戦」21型

「YS-11 国産旅客機44年の航跡」と同じフロアの奥に、零式戦闘機21型が展示されている。日本国内で見ることのできる数少ない「零戦」の1機であり、しかも前線で複座の偵察機に改修されたという珍しい機体である。以前も見たことがあるが、新装なった新館で見…

「プリズンの満月」読了

吉村昭の「プリズンの満月」を読了した。「ABC級戦犯」が収容されていた巣鴨プリズンの実態を刑務官の目から描いた小説である。これを読めば、日本は多くの「戦犯」の生命・身体の自由*1を以って十分に戦争犯罪を贖罪したことが実感できる。涙なくして読めな…

「ここが家だ」

第五福龍丸事件を扱ったベン・シャーンの連作「ラッキー・ドラゴン」を再構成した絵本「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」(集英社)が出版されたので、amazonで取り寄せた。構成・文は、アメリカの詩人アーサー・ビナートである。翻訳ではなく、日本…

「BC級戦犯」読了

先日、東京駅前の「アガペの像」を見、桐蔭横浜大学に「BC級戦犯」裁判が行われた横浜地裁特号法廷を見学したので、「BC級戦犯」裁判について系統的な知識を得ようと、田中宏巳「BC級戦犯」(ちくま新書)を読んだ。「BC級戦犯」裁判の原因となった帝国陸海…

九三式陸上中間練習機

フルタの「チョコエッグ戦闘機シリーズ第6弾」で九三式陸上中間練習機が出た。ほしい機体だ。しかし、「チョコエッグ」は内容の偏りがひどいので、引き当てるまで買っていると、チョコレートを山ほど食べるはめになる。我慢して手を出さずにいたところ、運よ…

横浜地方裁判所特号法廷

上坂冬子の「戦争を知らない人のための靖国問題」(文春新書)の中に、戦後、日本国内における「BC級戦犯」裁判が行われた横浜地方裁判所特号法廷が、桐蔭横浜大学に移築・保存されているとあったので、調べたみたところ、同学において、金土曜日だけ一般公…

「アガペの像」

上坂冬子の「戦争を知らない人のための靖国問題」(文春新書)で唯一感謝するのは、東京駅丸の内中央口の近くに建っている「アガペの像」の存在を教えてくれたことだ。彫刻家・横江嘉純の制作によるもので、「BC級戦犯」の慰霊と平和祈念のために、1955年に…

「戦争を知らない人のための靖国問題」読了

上坂冬子の「戦争を知らない人のための靖国問題」(文春新書)を読了した。結論から言えば、期待外れの1冊だった。「あんたたちは知らないかもしれないけれど、昔はこうだったのよ。」といった昔語りの域を出ていない感がある。個々の議論は、どちらかと言う…

「日本沈没【D2計画篇】」その3

開封屋で「日本沈没【D2計画篇】」の陸上自衛隊1 1/2t救急車を見つけた。やはり人気のある品らしく、店によっては、2,000円の高値がついていて、さすがに手を出す気になれずにいたのだが、900円の値札に「まあ、これならよかろう。」と思ってしまった。これ…

「陸奥爆沈」読了

吉村昭の追悼シリーズの最終巻「陸奥爆沈」を読了した。1943年6月8日、謎の大爆発を起こして泊地・柱島沖の海底に沈没した戦艦「陸奥」の事故を扱ったものである。小説ではなく、著者自身が沈没の原因を探っていくルポルタージュの形式になっている。記憶が…