「零戦」21型

YS-11 国産旅客機44年の航跡」と同じフロアの奥に、零式戦闘機21型が展示されている。日本国内で見ることのできる数少ない「零戦」の1機であり、しかも前線で複座の偵察機に改修されたという珍しい機体である。以前も見たことがあるが、新装なった新館で見るのは初めてだ。完璧に修復されている靖國神社遊就館や鹿屋史料館の52型に比べると、外皮がベコベコになっていたり、降着装置や尾輪のタイヤが劣化していたりと、戦地から戻ってきた生々しさがある。エンジンカバーが外されて、「栄」12型エンジンが装着されている状態が見られるのも興味深い。ただし、以前は上から操縦席内を覗くことができたが、下から見上げるだけになってしまったのは残念だ。

現在、国内で完全な姿を見ることのできる「零戦」の実機は以下の8機である。

型式 機番 展示施設 回収地 備考
21型 オヒ-101 河口湖自動車博物館 ヤップ島 一般公開は8月のみ
21型 53-122 国立科学博物館 ニューブリテン 複座に改修
52型 - 河口湖自動車博物館 ヤップ島 一般公開は8月のみ
52型 81-161 靖國神社遊就館 ヤップ島 通年公開
52型 - 海上自衛隊鹿屋航空基地史料館 鹿児島県 2機から合成復元
52甲型 43-188 航空自衛隊浜松広報館 グアム島 通年公開
52甲型 - 三菱重工小牧南工場資料室 ヤップ島 要予約
62型 210-118B 大和ミュージアム 滋賀県 通年公開

その後、館内のレストランで遅い昼食をとり、1階(生物の進化)と地下1階(恐竜)の展示を見てから帰途についた。帰りがけ、6月に次女と見た上野大佛を長女にも見せようと連れて行った。今日は、入口が開いていたので、正面から尊顔を拝むことができた。やはり、顔面だけの仏様というのはヘンである。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20060604