カナダの氷河

17時頃、目が覚める。早起きをしたつもりで、そのまま起きることにした。寝ている間にオンタリオ州マニトバ州サスカチュワン州を横断し、すでにアルバータ州の上空だ。激しく蛇行するアサバスカ川が見える。見渡す限り、人工物は真っ直ぐ延びる道路だけで、人家もほとんどない原野が広がっている。ブリティッシュ・コロンビア州を抜け、ユーコン準州に入ると、セント・イライアス山脈の上空に達した。氷河を抱いた山々が果てしなく連なる。こういう神々しい景色を目の当たりにすると、創造主の存在を確信する。

下の写真の氷河は、クルエーン国立公園のアイスフィールド山地東麓にある全長75kmのカスカウルシュ氷河である*1。右から左に本流が流れている。下流の末端は北極海に注ぐシルムズ川と太平洋に注ぐカスカウルシュ川の分水嶺になっているそうだ。左上から合流しているのが南支流、右上から合流しているのがステアウェイ氷河である。本流の真ん中に中央堆石があることからわかる通り、上流で二つの支流が合流している。

カスカウルシュ氷河の上流。上の中央支流と下の北支流が合流して本流になっているのがわかる。。

下の写真は、アイスフィールド山地西麓にある全長70kmのローガン氷河である。その名の通り、カナダ最高峰のローガン山(5956m)に端を発している。エンジンの下にわずかに見えるのは、平行して流れ、アラスカ州に入ってからローガン氷河に合流する全長70kmのウォルシュ氷河である。

米加国境を越え、アラスカ湾が近くなると、次第に雲が広がっていった。

デナリ山(6194m)*2が雲海の上に頭を出しているかもしれないと思い、アンカレッジの横を通過する頃合を見計らって、R2ドアのところへ行く。シェードを開けてみたが、残念ながら、雲海の上に頭を出している山はなかった。6千数百m以上の雲高があることになる。この間、高度はFL350に上昇していた。

21:22、ヌニヴァク島のあたりから太平洋上に出た。21:46、雲の切れ間から無数の白い斑点が見える。スカイマップで見ると、洋上なので、流氷だったようだ。22時頃、日付変更線を越える。

*1:帰宅後、Googleマップの航空写真から突き止めた。

*2:アメリカ名マッキンリー山。