多難な帰国

Wilm2007-06-02

日本時間11時過ぎ、高度はFL360まで上昇した。食事サービスは、またも和食を選ぶ。

14:37、鹿島灘から日本に上陸する。霞ヶ浦をかすめて西進し、パーチ・ポイントで左旋回。成田空港RWY16Rへの進入コースに乗る。利根川を過ぎて着陸態勢に入り、順調に高度を下げていく。しかし、14:47、エンジンの出力が突然上がった。どんどん高度が上がり、16Rの真上を通過してしまった。着陸復行か、と思っていると、「当機は、成田空港に向けて着陸態勢に入っておりましたが、現在、上昇しております。状況がわかり次第、お知らせします。」という客室乗務員の機内放送がある。進入には何ら問題がなかったので、地上で何か事故があったのかな、と思う。

間もなく機長から、「5分ほど前に、空港周辺で地震があり*1、管制塔より、滑走路の点検を行うので、10分程度、上空で待機するようにとの指示がありました。」との説明がある。

16Rからの通常の出発経路に乗って上昇し、蓮沼で太平洋上に出た。さらに南東に進み、かなり沖合い(パパス・ポイントか)で左旋回する。左前方から後方にかけて、3機の大型機が見える。やはり、空中待機のようだ。これは、ひょっとして、羽田かセントレアダイバートかな、とわくわくしていたら、機長から「滑走路に異常がないことが確認できたとの地上からの連絡がありましたので、これから着陸態勢に入ります。」とのアナウンスがあり、がっかりした。

15:04、銚子沖で左旋回し、鹿島灘から再度、進入ルートに乗る。眼下に茨城県立カシマサッカースタジアムが見える。15:24、今度は無事に成田空港RWY16Rに着陸。着陸復行の動揺もなく、滑るような着地だった。15:30、定刻より5分遅れで第1ターミナル第5サテライトのゲート53にスポットイン。

私のトラブルはここからだった。着陸前に、誤ってボールペンを座面と肘掛の間に落とした。隙間に見えるボールペンに手を伸ばしたら、ぽとん、と座席の下に落ちてしまったのだ。スポットインしてから、座面のクッションを外してみると、下は金属製の箱になっていて手が入らない。座席の前から覗いても何も見えない。そうこうしているうちに、降機が始まった。諦めるには惜しいボールペンだったので、客室乗務員に事情を話す。「これは、整備員でないと取れないので、10分程度お待ちいただけるのであれば、呼びます。」とのことだったので、お願いする。間もなく、整備員がやってきて、座席後面のパネルをドライバーで外し、手を突っ込んで取って下さった。とんだ迷惑をかけてしまった。「New Style, CLUB ANA」の座席に座ったときは、くれぐれも物を落とさないよう、細心の注意を払うことをお勧めする。

文字通り、一番最後の乗客として降機する。幸い、入国審査は行列になっていなかった。荷物をピックアップし、税関検査を抜け、携帯電話を返却する。全日空のカウンターに行って、予約しておいたハイヤーを頼む。今日は、自宅に直帰なので、助かる。しかし、首都高都心環状線で事故があり、渋滞していたので、横羽線・大師出口で降り、あとは一般道を帰る。夕方なので、ひどく時間がかかる。結局、家に到着したのは18:45頃だった。疲れた。

*1:帰宅後、地震情報を調べると、14:43、茨城県南部を震源とするM4.6の地震が発生した。成田空港付近の震度は2。搭乗機の上昇開始のわずか3分前のことである。