桜島

往路を引き返して鹿児島に戻る。市街を通り抜けて、桜島フェリーの桟橋に行く。予め調べた時刻表では、この時間帯は10分ごとの出航だ。どうやったらそんな頻度での出航ができるのだろうと思いながら、車の列に着く。乗船時間になると、車路を上下に振り分け、2階建になっている乗用車甲板に次々と乗船させる。運賃は桜島に到着してから払うようだ。あっと言う間に乗船が完了し、汽船第十五櫻島丸*1は、定刻通り12:30に岸壁を離れた。

鹿児島港を出て錦江湾に出ると、海上保安庁の巡視船やヘリコプターが出動して演習中だった*2第十管区海上保安本部所属の巡視船PLH03「おおすみ」、同PL07「さつま」、同PL52「あかいし」、測量船HS22「いそしお」などが確認できた。巡視艇を不審船に見立てて巡視船が挟み撃ちにし、追跡・拿捕のデモンストレーションをしているようだった。

桜島火山の荒々しい地肌が迫り、桜島に到着。車に乗って船を降り、ゲートで料金を払う。桜島溶岩道路と名づけられた道を進むと、有村溶岩展望所があったので、車を停める。桜島大隅半島と地続きになった1914年の大爆発でできた大正溶岩原と1946年の大爆発でできた昭和溶岩原の境目あたりに位置する展望所だ。溶岩原の中の遊歩道を進む。眼前に南岳(1,040m)の偉容が迫る。頂上の右下に火口があるらしく噴煙が上がっている。山肌は硫黄で白く変色し、侵食の跡が生々しい。たおやかな浅間山とは違って、活発な噴火活動を繰り返していることを窺わせる。

錦江湾側を望むと、昨日、麓まで行った魚見岳が断崖を垂直に落としている。その右には、開門岳がうっすらと姿を見せていた。さらに右手には、一昨日訪れた新日本石油基地が見える。大型タンカーが2隻接岸している。

車に戻り、大隅半島に渡る。海沿いに国道220号線を南下する。右手には錦江湾がのどかに広がっている。鹿屋港から一山越えて鹿屋の市街に下りる。昼食を食べるところを探して市内をうろうろしていると、城山公園の下の城山トンネルを抜けたところに、「ら・ぱしゃ」というラーメン屋があったので入る。ここの塩ラーメンと六百六宝餃子*3は、なかなかの味だった。

*1:1995年1月竣工。1,134t。航走車両数:大型10台・乗用車36台。愛称「チェリークィーン」

*2:「JCGクルーズin錦江湾」という第十管区海上保安本部が主催した見学会だったようだ。南日本新聞の報道によると、招待客約4,000人が参加したという。

*3:「六宝」の由来は、鹿児島六白黒豚、黒酢、黒砂糖、子宝島の塩、知覧茶、情熱なのだそうだ。