花瀬望比公園

車を開聞岳の西麓に走らせ、花瀬崎にある花瀬望比公園に行く。ここには、太平洋戦争の激戦地の一つフィリピン群島で草生す屍となった将兵の遺骨4,147柱を祀った「比島戦没者慰霊碑」がある。慰霊碑は、彫刻家・中村晋也の制作である。「死生の門」と名づけられた石柱が左右に立つ。その奥に慰霊碑があった。慰霊碑には、フィリピンの熱帯雨林から回収してきたと思しき帝国陸軍の鉄兜が置かれている。赤く錆びた鉄兜は、縁が欠け、弾痕がいくつも開いている。その奥には、傷ついた体を寄せ合う将兵たちの銅像が立ち、九二式重機関銃が据えられている。その脇には、陸軍兵士の像が遠くフィリピンを見据えている。兵士の像は、靖國神社遊就館の「かへりみはせじ」と同じモチーフだが、こちらは三八年式歩兵銃ではなく、八九式擲弾筒を携えており、凄惨なジャングル戦を想起させる。慰霊碑から少し離れたところに、跪いて海を見晴るかす母子の像が立っている。夕暮れ間近の東シナ海は静かに凪ぎ、水平線上にかすかに三島村の硫黄島竹島が見えた*1
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20060401

*1:最初は、屋久島と種子島が見えているのかと思ったが、さすがにこのあたりからは見えないようだ。