指宿温泉

花瀬望比公園で今日の観光を切り上げ、国道226号を東に向かう。指宿温泉の白水館が今夜の宿である。温泉旅館に泊まるのは久しぶりだが、立派な宿である。花の棟の222号室に案内される。窓のすぐ外には錦江湾が広がっている。湖面のように波静かだ。対岸の大隅半島が霞んで見える。沖合いを大型タンカーがゆっくり航行している。双眼鏡で見ると、先ほど喜入基地で見たばかりの「立山」だ。荷揚げを終えて、次の目的地に向かうところらしい。

一休みした後、指宿名物の「砂むし風呂」に入りに行く。「砂むし風呂」は「混浴」なので、家族で入る。専用の浴衣を着て、熱い砂地に仰向けに寝転がると、係員が砂をかけて埋めてくれる。首以外が砂の下になり、けっこう圧迫感がある。15分ほども砂に埋まっていると大汗をかいた。その後は、妻子と別れて大浴場へ行く。さまざま趣向を凝らした湯船があり、「千と千尋の神隠し」の湯屋を想起させた。

入浴後、6階の大広間で夕食。どうせ旅館の食事だろうと、あまり期待していなかったのだが、予想外においしかった。新鮮な海鮮や黒豚・黒牛の肉がふんだんに使われた郷土料理で、食べきれないほど堪能した。食事も大満足で、初めて温泉旅館に泊まる娘たちの白水館に対する評価は急上昇した。

部屋に戻ると、ちゃんと床が延べてあり、長い一日の後だけに、早々に寝てしまった。