高塚山登山

食後、前からやりたかった高塚山登山に出かける。山登りと聞いて、娘たちは難色を示したが、私の「山には虫がいるかもよ。」の一言に、虫愛ずる姫君の長女が陥落した。高塚不動尊にお参りしてから、横手の登山道を登り始める。森に入る直前の道端に、赤と黒の派手なカメムシがいた(帰宅後図鑑で調べるとオオキンカメムシ)。こんな季節に果たして虫がいるかどうか、冷や汗ものだったのだが、このカメムシのおかげで助かった。少し登ると今度は、ヒキガエルがいた。急に暖かくなったので、みんな、冬眠から覚めてしまったらしい。

標高はたかだか216mの山だが、麓からいきなり尾根に取り付くので、結構なアルバイトを強いられる。ジグザグの急登が続く。まわりはマテバシイやアカガシが密生していて、ちょっと熱帯雨林のような雰囲気だ。尾根を登り切って道が平坦になると、石の鳥居があり、ここから奥の院の境内になるようだ。鳥居の柱には、「奉寄進 寛政十一己未歳十二月吉日」と彫られている。寛政11年は1799年だから、200年以上も前のものだ。

40分ほどで到着した高塚山の頂には、高塚不動尊奥の院がある。山門には、ユーモラスな風神・雷神の石像が鎮座している。本堂の裏が最高点になっており、登ってみると、小さな祠が朽ちていた。山門脇のベンチから海の方角が見渡せる。なかなかの絶景だ。残念ながらBird Landのあたりは、尾根の陰になっているが、北は千倉漁港から、南は潮風王国のあたりまで見える。その向こうには、真っ青な海が広がっている。水平線は淡く霞んで青空に溶け込んでいた。