千倉の夕暮れ

山を下って、潮風王国へ行く。しかし、風が強いので、磯遊びはあっさりあきらめ、千倉大橋のたもとのCafé de vonへ行く。一見、掘っ立て小屋風で見落としてしまいがちだが、前から気になっていたギャラリー・カフェだ。コーヒーとチーズケーキはいずれもおいしかった。オーナーのAさんは、千倉が気に入って10年前にご夫婦で東京から移り住んだのだそうだ。10年前と言えば、ちょうど我が家も千倉に通い始めた年だ。この一見変哲のない半農半漁の町には、どこか人を惹きつける不思議な魅力がある。我が家も移住とまではいかないが、半年に1回行かないと禁断症状が出るようになってしまった。

明るいうちにBird Landに戻る。夕食間際にOさん一家も到着。7人で食卓を囲む。娘たちが、私とOさんのご主人とオーナーのNさんにチョコレートを渡してくれた。そうか、今日はバレンタインデーだった。夕食は、いつもながらおいしい。今日はビーフシチューがメインディッシュだ。あっさりめの味付けは、我が家の口に合う。料理もBird Landの魅力の一つだ。

食事をしていると、急に雨が降り出し、雷雨になった。春の嵐だ。雨がやむと星が出るが、また雲がかかってきて滝のような雨になる、ということが何回か繰り返され、結局、天体望遠鏡は使えずじまいだった。

食後は、みんなでUNOをしたり、子供を寝かしつけたり、両家のパパはうたた寝をしたり、目が覚めると、酒を飲んだり、DVDを観たり、と千倉の夜は更けていった。