影向寺の薬師三尊像

初詣がてら、宮前区の影向寺に参拝しました。目的は、この寺の本尊、薬師如来両脇侍像(11C。重要文化財)です。年末年始・8月5日・11月3日の年5日間しか開帳されない秘仏なので、これまでなかなか拝観する機会がありませんでした。

武蔵新城駅南口から川崎市バス鷺02系統鷺沼駅行きに乗車し、影向寺停留所で下車します。武蔵国橘樹郡の郡家遺跡が発掘されたという住宅街の間を抜けると、影向寺の山門に到着します。影向寺は、7世紀後半に開山したとされる古刹ですが、往時の伽藍はありません。しかし、江戸時代に再建された本堂や聖徳太子孝養像(14C)を安置する八角太子堂などが並び、立派な境内です。

まず本堂にお参りします。外陣の天井には龍と天女が描かれ、なかなか立派なお堂です。その後、本堂の裏にある収蔵庫で薬師如来両脇侍像(薬師三尊像)を拝観しました。中尊、日光菩薩月光菩薩とも、アルカイック・スマイルをたたえ、古風な造りです。背後には二天立像と十二神将立像も安置されています。仏前では、「薬師三尊国宝復活署名」*1をやっていたので、我が家も協力しました。神奈川県内の国宝仏は、高徳院銅造阿弥陀如来坐像(要は鎌倉の大仏さん)だけなので、川崎市に国宝仏が生まれるのは大歓迎です。

*1:「国宝復活」というと、かつては国宝だったのに指定を取り消されたので、その復活を求める、というように読めますが、そういうことでもないようです。単に「国宝指定署名」でいいのではないでしょうか。