「パリ−ニューヨーク20世紀絵画の流れ」

「ふるさとホール」での文楽公演が16:20頃に終わったので、隣の府中の森公園の中にある府中市美術館に行ってみました。ちょうど企画展「パリ−ニューヨーク20世紀絵画の流れ」をやっていたので、受付終了間際に入場しました。アメリカのヴァッサー大学のコレクションから、欧州近代絵画とアメリカ絵画を選んで持ってきた展覧会です。

欧州近代絵画では、入口に展示してあったドレの1「パリの防衛」(1871)にまず惹かれました。普仏戦争でパリの城門を絶望的に守る負傷兵と自由の女神を描いた大作です。白黒の画面に、フランスの三色旗だけが浮かび上がります。そのほかには、コローの2「川岸の舟に乗る漁師」(1865)、ムンクにしては穏やかな13「サン・クルーのセーヌ川」(1890)、夢幻的なシャガールの22「花束」(1953)などの佳作が印象に残りました。

アメリカ絵画では、夕暮れ空のグラデーションが美しいジャスパー・クロプシーの7「パエストゥムの夕暮れ」(1856)、マンハッタン島の朝日が眩しいチャールズ・ムアの10「ニューヨークの朝」(1861)、私の好きなエドワード・ホッパーの37「ロックランド、トロール船ウィジオン号」(1926)、気怠い雰囲気の漂うベン・シャーンの42「日雇い労働者の日曜日」(1937)などが目を引きました。

本展は、出展作品86点のおよそ半分がアメリカの現代絵画です。私でも描けそうな抽象絵画が並んでおり、足早に通り過ぎてしまいました。

常設展と牛島憲之記念館を観終わると、ちょうど閉館時間の17時でした。散歩を兼ねて府中駅まで歩きました。京王線は動いていましたが、まだ、ダイヤは乱れているようでした。