メンフィス・ベル

Wilm2008-04-01

昨日、Amazonに予約していたカフェレオの「ビッグバード VOL.3」が届きました。8個入りの箱買いをしたので、大きな段ボールに梱包されています。目立つこと夥しく、妻子の手前、まことに都合が悪いのですが、定価よりも安く確実に入手するためにはやむを得ないことでした。

今回は、九七式重爆撃機、B-17F爆撃機、Do-217爆撃機という渋いラインナップです。中身の検分をしてみると、各2機ずつのいわゆる「ノーマル・コンプリート」に加え、九七式(第60戦隊)とシークレットのB-17が入っていました。私は、もともと米軍機にはそれほど興味がなく、特に、2発の原爆を始め、17万トンとも言われる爆弾・焼夷弾を日本本土に投下し、50万人に及ぶ大量無差別殺戮を行ったB-29などは、決して模型を作りたいとは思いません。しかし、日本本土には爆弾を1発も落とさなかった(はずの)B-17には、恨みはなく、その無骨な姿がちょっと好きだったりします。

それにしても、B-17が3機は多いなあ、と思いながら、よくよくシークレットの解説書を見ると、第91爆撃大隊第324爆撃中隊所属41-24485号機であることがわかりました。「メンフィス・ベル」です。25回の対独爆撃を生き延びた「メンフィス・ベル」の物語は、2回映画化されているので、ご存知の方も多いと思います。私も、1990年版の公開時に妻と観に行きました。*1

これはちょっと自慢なのですが、私は、「メンフィス・ベル」の実機を見たことがあります。1992年の年末から1993年の年初にかけて、妻とアメリカ南部を旅行した際、当時、テネシー州メンフィスのマッド・アイランド公園に保存されていた「メンフィス・ベル」を見たのです。公園に到着したのは16時過ぎで、閉門した後でした。ゲートで「今日はもう終わりだ。明日、出直して来い。」と追い払われそうになったのですが、「これからセントルイスに向かうので、明日はもう来ない。『メンフィス・ベル』に会うためにわざわざやって来たんだ。」と食い下がると、「じゃ、写真1枚だけだぞ。」と言って、中に入れてくれました。交渉次第で融通が利くのがアメリカらしいところです。

「メンフィス・べル」は、大きなテントの中で翼を休めていました。想像していたよりも、大きくて驚いたことを覚えています。機首の両側には、有名なノーズ・アートもちゃんと再現されていました。写真はそのとき撮影したものです(1枚だけの約束だったのですが、数枚撮ってしまいました。あのときの親切な守衛のおじさん、ごめんなさい)。


メンフィス・ベル」は、その後、保存状態が悪化したため、2005年10月にオハイオ州デイトンにある国立空軍博物館に移され、現在も補修作業中のようです。同博物館のホームページを見ると、毎週金曜日だけに行われるツアーに参加すると、補修作業中の「メンフィス・ベル」を見学できるようです。
ミリタリーエアクラフトシリーズ BigBird Vol.3 世界の爆撃機・攻撃機 1BOX メンフィス・ベル [DVD]

*1:最初に妻を映画に誘ったのは「ダイ・ハード2」。昔は、妻も戦争映画やアクション映画について行ってくれたのですが、最近では見向きもしなくなりました。まあ、そりゃそうですわね。