「生々流転」

東京国立近代美術館に入館後、真っ先に今日の目的である「生々流転」を1階特設ギャラリーに観に行く。横山大観の「観音」(1912)、「満ち来る朝潮」(1943)、「南溟の夜」(1944)、「或る日の太平洋」(1952)の展示に続いて、長さ40mに及ぶ「生々流転」(1923:重要文化財)がガラスケースの中に展開されている(写真*1)。大河が源流から湧き出し、大洋に流れ出て、龍に姿を変えて昇天するまでの様子を描いた水墨画だ。多彩な技法を駆使し、とても水墨画とは思えない雄弁さである。長女がいみじくも「山の空気が感じられるようだね。」と言う。日本画のよさを初めて認識したようだ。空いていたので、2回、端から端までじっくり鑑賞することができた。近代日本美術のマスターピースの一つと言っていいだろう。

*1:受付で館内撮影許可を得た。