セルのモーツァルト

先日届いたセルのモーツァルト・ボックスから交響曲第35・39・40・41番を聴く。いずれもすばらしいが、特に、第35・39番(いずれも1960年録音)のきりっとした明澄な響きは、セルの真骨頂だろう。第40番(1967年録音)は、3年後の東京ライヴの奇跡的な純度には及ばないものの、引き締まった辛口の演奏だ。これらに比べると、第41番(1963年録音)は、もう少し柔らかな拡がりを期待したいところだ。終楽章コーダの開始部は、晴れ渡ったザルツブルクの朝の空に教会の鐘が鳴り交わすように演奏してもらいたいのだが、今ひとつだ。ここは、なかなか鐘が鳴らない演奏が多く、私が唯一満足しているのは、オットマール・ズイトナーがドレスデン国立管弦楽団を指揮した録音である。

これから、残り8枚を少しずつ聴き進めていこう。