文楽鑑賞教室
長女といっしょに、文楽鑑賞教室に出かけました。長女の学校が団体で申し込んでくれたので、今日は格安料金で観劇できます。
出し物は、「二人三番叟」と「菅原伝授手習鑑」から「寺入り」と「寺子屋」です。すでに観たことのある演目ですが、いい作品は何度観てもいいものです。
「二人三番叟」
検非違使が幸助、又平が一輔。いずれもきびきびとした所作が小気味よく、これまで観た中で最高の三番叟でした。10月の地方公演ではらはらした三味線陣は、今日はテンポが上がっても、アンサンブルがぴたりと揃い、やはりこうでなくちゃ、と思わせてくれました。
「二人三番叟」の後、文楽鑑賞教室らしく「文楽の魅力」と題した解説が入ります。相子大夫と清丈*1が義太夫節の歴史と特徴、紋臣が人形の遣い方をそれぞれ軽妙な語り口で解説してくれました。
「寺入りの段」
休憩後、「菅原伝授手習鑑」から、まず「寺入りの段」。床は、咲甫大夫と団吾。いつもながら、丁寧な語りで好感が持てます。戸浪が勘弥、女房千代が清十郎。清十郎は、9月の襲名以来、出番が多くなっています。
「寺子屋の段」
70分に及ぶ長大な段を津駒大夫と清二郎だけで努めあげました*2。最近、津駒大夫の充実が頼もしく、今日も松王丸の悲憤を万感こめながら語っていたと思います。中でも、息子・小太郎の最期の様を源蔵から聞き、「ナニ、笑いましたか。」の後の泣き笑いは、鬼気迫るものがありました。津駒大夫には、ぜひ襲名・切語りを目指してがんばってもらいたいものです。
人形では、松王丸の玉女、源蔵の玉也ともに、それぞれの性根をきっちり演じ、安心感がありました。やはり優れた作品を優れた演奏・演技で鑑賞すると、感銘を新たにします。