金峰山登頂

しばらく休憩した後、10時に金峰山を目指して歩き始めます。樹林帯の中の登降を繰り返した後、10:30、朝日峠に到着。ダケカンバの老巨木が立っています。小休止の後、朝日岳への登り返しです。シラベの枯木立の中の岩だらけの道を登りきると、そこが朝日岳(2581m)の山頂でした。時刻は11:17。朝食が早かったので、ここで昼食にすることにします。バーナでお湯を沸かし、アルファ米の五目御飯と豚汁という我が家定番の山飯を摂ります。


ここまで来ると、金峰山は、もう目前です。少し、雲行きが怪しくなってきたので、12:10頃、出発しました。いきなり、復路を考えると嫌になってしまうくらい、降下してしまいます。


途中、アズマシャクナゲが花を咲かせていました。盛りは過ぎつつあるようです。


また、クジャクチョウが岩場に止まっているのを見つけました。関東では高山でないと見られない珍しい蝶です。


標高2531mの鉄山の中腹を回り込み、樹林帯を抜けると、金峰山山頂への岩稜に出ました。植生はハイマツに変わり、ゴツゴツした岩が転がって、いかにも高山の雰囲気です。瑞牆山(2230m)の岩峰を眼下に眺めながら稜線をたどり、13:30、金峰山の2599mの頂上に到着しました。


頂上のすぐ下に五丈岩があります。花崗岩の方状節理でできた高さ15mの巨岩の堆積です。この岩のおかげで、金峰山は遠くからでも同定が容易です。長女と攀じ登ってみましたが、途中で降りられそうもなくなり、断念しました。南西側は断崖絶壁になっているので、危険です。岩の中腹にあるお社に、無事登頂できたお礼をします。


周囲はかなり雲量が多く、見えるのは、午前中に登頂した国師ケ岳、北奥千丈岳朝日岳、そして眼下に見える瑞牆山(下の写真)くらいです。晴れていれば、北アルプス八ヶ岳南アルプス、富士山、奥秩父など360度の展望が広がっているはずなので、残念です。空気の澄んだ季節にまた来ることにしましょう。


14時過ぎに下山を開始します。鉄山を過ぎた頃から雲行きが怪しくなり、とうとう雨が降り出しました。レインウェアを取り出して着用します。ちょうど雨中行軍の訓練にもなります。朝日岳へ登り返す峠に、シカがいました。我々の姿を見ると、一目散に森の奥に逃げて行ってしまいました。雨の中、朝日岳への急登に喘いだ後、15:26、朝日岳に再登頂しました。小休止の後、すぐに下山を始めます。枯れたシラベの梢にホシガラスが止まっていました。獲物の虫を得意そうにくわえていました。


霧に煙るシラビソの原生林の道は、奥秩父らしい穏やかな雰囲気でした。やがて雨も上がり、薄日も差してくる頃、16:37に大弛峠に無事、降り立ちました。休憩をした後、17時頃、車で下山をします。目指すは、麓の牧丘町にある山梨市営温泉「花かげの湯」です。18時前には到着し、温泉につかって山登りの疲れをゆっくり取ることができました。


その後、塩山の街で夕食を摂り、21時頃、勝沼ICから中央道に乗ったのですが、相模湖を先頭に大月まで渋滞しており、結局家に到着したのは24時近くになってからでした。家族全員、ベッドに直行したのは言うまでもありません。