「伝説の至芸・四世 竹本津大夫」

外出中にNHK教育で放送された「伝説の至芸・四世 竹本津大夫」を録画しておいた。帰宅後、さっそく録画を視聴する。かつての人間国宝・四世竹本津大夫は、四世竹本越路大夫と並んで、その肉声を聴いてみたいと思っていた太夫だ。「摂州合邦辻」合邦住家の段、「花上野誉碑」志渡寺の段、「桜鍔恨鮫鞘」鰻谷の段が放送されたが、いずれも「筒一杯」と評された津大夫の激烈な語りに圧倒された。まさに「命を賭けた語り」と形容しても過言ではなく、現在、このような太夫が存在しないことは間違いない。滝のような汗を飛ばしながら、大音声を呼ばわる姿に、次女は「この人の床下には座りたくないね。」とおののいた。「伝統の至芸」という副題は、決して誇張ではない。