長谷川等伯「松林図屏風」

国立博物館での長谷川等伯「松林図屏風」(16世紀)の公開が今日までなので、新宿に買い物に行く妻子と別れ、一人で国立博物館に行く。まず本館の2階から。目指す屏風絵は、南東隅の国宝室に展示してあった。薄暗い照明の中に六曲一双の大作が浮かび上がる。幽玄という言葉は、まさに本作のためにあるような気がする。

1階第11室の仏教彫刻では、東大寺戒壇院の広目天立像(模造)があった。私の好きな天平仏だ。第18室には横山大観の大作「雲中富士」(1858)が大胆な構図で圧倒的な迫力だ。2週間前に竹橋で観た「生々流転」の枯淡の境地とは別世界である。

オルセー美術館展」の喧騒とは打って変わった静寂の中、日本の美術工芸品を巡り歩く。

閉館とともに博物館を後にし、両大師の横を通って鶯谷に抜ける。山手線で新宿へ行き、妻子と合流。夕食をとってから帰宅した。