NH6便の旅

荷物検査場では、液体の入った容器を持っていないかどうかをチェックしていた。57番ゲートに行くと、駐機していたのは、JA732A(B777-381ER)。昨年4月に就航した-381ER2号機だ。隣の56番ゲートには、JA777A(B777-381ER)が駐機していた。今年10月に就航したばかりの最新鋭機材だ。前部降着装置の格納扉に書かれた「777」という番号は、当機が全日空B777船団の旗艦であるかのようだ。

16:35頃からロスアンジェルス行きNH6便の搭乗開始。私の座席は16K。Cクラスの最後列、主翼の上で視界が悪い。事前に全日空のホームページで何回か座席変更を試みたのだが、常時満席だった。搭乗してその理由がわかった。FIFAクラブワールドカップ・ジャパン2006に出場していたメキシコの「クラブ・アメリカ」チームがCクラス前方セクションの大部分を占めていたのである。12月14日の準決勝でFCバルセロナに0-4で敗れ、帰国の途上らしい。陽気で賑やかな彼らの中に混じらなくてよかったかもしれない。

定刻より2分遅れて17:07スポットアウト。すでに日が落ち、夕闇が迫っている。青や緑の誘導灯が美しい。牽引車が切り離された後、GE90-115Bエンジンに火が入った。ズオーンという独特の鈍い音を立てて始動する。出発便が多くてなかなか走行許可が出ないのか、しばらくじっとしている。やがて動き始め、34Lまでゴトゴト、タキシングしていく。A11誘導路から34Lの端に入り、アメリカン航空B777-223ER*1に続いて滑走開始。17:23離陸。降着装置の真上に座っているので、ゴリゴリと音を立てて格納されるのがわかる。

17:30頃、銚子の南から洋上に出る。順調に上昇を続け、17:42頃、FL320で水平飛行になった。飲食サービスが始まる。私は、例によってマティーニを所望する。食事は和食。若い頃は、和食の機内食を選択するおじさんたちを軽蔑していたのだが、最近は、日本出発便では迷わず和食を選択するようになった。私もいいおじさんである。今日は加賀料理。主菜の黒むつ照り焼きと蟹御飯がおいしい。純米酒「萬歳楽・白山」を飲んだら、すっかり酔っ払った。

18:30頃FL330、19:55頃FL340とステップアップしていった。歯を磨いて寝る。座席が水平近くまで平らになるうえ、酔いも手伝って熟睡できた。強い偏西風に乗ってビュンビュン飛ばしているらしく、途中かなり揺れる。

*1:おそらく、17:00発AA170便ロスアンジェルス行きだろう。