OZ1025便の旅

38番ゲートで待っていたのは、HL7746(A330-323X)。今年7月に就航したばかりの新鋭機材だ。アシアナ航空A330フリート4機の中では、一番若いので、10月から導入された2006年塗装ではなく、ダークアースの1988年塗装だ。除雪車が2台両脇について、まず除雪液を噴射して除雪してから、防氷剤を噴霧している。

8:45頃、早くも羽田行きOZ1025便の搭乗開始。アシアナ航空は初めて利用する航空会社であり、A330は、初めて搭乗する機材だ。座席は3A。内装は、アシアナ航空の指定によるものなのだろうが、曲線を多用した柔らかいデザインで、硬質なボーイングの機材とは雰囲気が違う。バルクヘッドには、クリスマス・リースが飾ってある。客室乗務員は、大韓航空以上に若くてきれいだ*1。日本人乗客には日本語で話しかけるのだが、なぜか私には韓国語で話しかけてきた。以前、韓国人に「お前は韓国人に見える。」と言われたことが二度あるので、彼らも見分けがつかないらしい*2。きれいな韓国人客室乗務員に韓国語で話しかけられると、次はちゃんと韓国語を勉強してこようという向上心が湧くのであった。

9:18、定刻より7分も早くスポットアウト。牽引車が切り離される頃、PW4168Aエンジンに火が入り、キュイーンと鋭い始動音をたてる。窓の外は、防氷剤がだらだら垂れてきて、ほとんど何も見えないが、朝早いせいか、旅客機の姿はないようだ。G2誘導路から14Lに入る。9:36離陸。上昇するに従って、窓の防氷剤はふっ切れたが、しばらくは雲の中で何も見えない。座席の前にある個人モニタでスカイマップを見ると、朝鮮半島をほぼ真東に横断していく。9:50頃、雪をかぶった太白山脈が見えてくる。その向こうは、もう日本海*3だ。間もなく江稜のあたりで日本海に抜けた。10:10、FL350まで上がり、水平飛行に移った。

食事サービスが始まる。やはりビビンバを選ぶ。トレイの上の食器は、すべて陶器である。親切なことに、ビビンバの食べ方を解説した小冊子がついている。しかし、私はすでに心得ているので、おもむろにご飯をナムルにかけて、混ぜ始める。こちらのビビンバもおいしかった。

10:20頃、本州が見えてくる。ちょうど鳥取市のあたりから、本州上空に進入する。湖山池や千代川が見える。そのあとは、また雲の上になってしまった。スカイマップによれば、房総半島を真っ直ぐ北上しながら高度を下げていく。途中かなり揺れる。11:03、降着装置がゴリゴリと音をたてて下ろされる。雲を抜けて東京湾の上に出た。

11:07、東京国際空港34Lに着陸。A9B誘導路からOタキシーウェイに出る。第1ターミナルには「先得ジェット」が2機もいる(JA771J・JA772J)。相武紗季に出迎えてもらったような気になる。また、スタージェットの数少ない生き残りである*4JA8981(B777-246*5)「シリウス」がいる。11:16、国際ターミナルの45番ゲートにスポットイン。46番ゲートには、昨日搭乗した大韓航空のHL7484が駐機している。おそらく、昨日、KE6709便として折り返し、羽田で停泊した後、KE6708便としての出発準備をしているのだろう。それとも、KE6710便として韓国へ引き返し、朝一番のKE6707便として到着したばかりなのか。

出国審査もスムーズに通り抜け、ターミナル連絡バスで第1ターミナルへ移動し、東京モノレールで職場に向かった。午後からは、通常通りの勤務だ。

*1:女性を外観だけでコメントするのは、不本意極まりない。

*2:帰国後、同僚にこの話をしたら、「髪を刈り上げているせいじゃないですか。韓国人男性は刈り上げが好きですからね。」と言われた。それも一理ある。

*3:スカイマップや機内誌の地図には「East Sea」と表記されていた。やはり「日本海」と呼びたくないらしい。

*4:かつては10機いたスタージェットのうち、今もオリジナルの1989年塗装が健在なのは、JA8981「シリウス」、JA8982「ベガ」、JA8983「アルタイル」、JA8985「プロキオン」の4機だけである。

*5:日本航空が導入したB777の初号機。