JA708Aの旅

ターミナル連絡バスで国際ターミナルに移動する。ゲートに全日空B777-281ERが駐機しているが、登録番号が見えなかったので、下車後、わざわざ国際線ターミナルの隣の駐車場まで歩いていって、金網越しに確認する。JA708Aだ。2000年5月就航の比較的新しい機材である。JA708Aは、P&W製PW4090エンジンに不調が見つかった機材の一つだが、換装はすんだのだろうか。R1ドアの下に「ETOPS」と表示されているのが唯一安心材料だ*1

第2ターミナルの一番端の65番ゲートと思しきところに、先ほど降下中の姿を見たJA8956が駐機していた。機体の下半分しか見えないが、鮮やかな色で「お花ジャンボ」とわかった。

チェックイン後、すぐに出国する。先行するJL8833便が出発した直後なので、出国審査場はがらがらである。各社共用のラウンジに行って、最後のメールチェック。

16時頃、45番ゲートから金浦行きNH1293便の搭乗開始。座席は2K。JA707A-710Aの4機は、北米路線に投入されていた234席仕様の機材なので、2Kは、Fクラスのフルフラットシート(ANA Super Style)だ。7月の上海出張の往路と同様、ラッキーなことである。もっとも、これらの機材も、2クラスの「New Style, CLUB ANA」仕様に順次改装されるようなので、この幸運もそれほど長続きすまい。

16:22定刻よりも3分早くスポットアウト。牽引車が切り離された後、しばらくじっとしていたが、やがて16R/34Lへ向かう。第1ターミナルの方へ右折したので、16Rからの離陸だ。この季節には珍しく南風が吹いているのだろう。私の多くはない羽田離陸の経験の中で、16Rは初めてだ。第1ターミナルの前をゴトゴト走っていくおかげで、日本航空機がよく見える。「たまごっちジェット」*2や「先得ジェット」*3が並んでいる。16Rに近づくと、第2ターミナルからやって来たJA8957(ピカチュウジャンボ)の黄色い巨体が当機の前方を右から左へ横切っていく。やがて、左側の窓をポケモンたちが通り過ぎて離陸していった。ポケモンジェット3機中2機を見られるとは、さすが羽田だ。

北海道国際航空のB767-33AERに続いて、当機もA-10誘導路から16Rに入り、滑走開始。16:44離陸。多摩川の河口の上を横切った後、東京湾上を上昇していき、木更津VOR/DMEで右旋回する。右手下方に後続機の姿を見ると、3次元空間の中を高速移動していることを実感する。東扇島のJFEスチール東日本製鉄所が眼下に見える。そのまま、内陸に入り北西に飛行していく。16:55頃、雲の上に抜ける。17時頃、FL400に到達して水平飛行になった。

ほどなく食事サービス開始。Cクラスとは言え、飛行時間が短いので、加熱を要さない弁当ボックスをトレイに乗せて提供された。それでも、夕闇迫る機窓の景色を眺めながらの食事は、贅沢な気分に浸れる。食後、眠くなったので、シートを水平にして、うたた寝をする。

*1:JA708Aは、ETOPS207を取得しているので、エンジン1発が停止した片肺状態で約3時間半飛行できることになる。

*2:JA007D。B777-289。型式番号下2桁のカスタマーコードから明らかな通り、旧JAS機材である。

*3:JA8984。B777-246。私は、この相武紗季をキャラクターに使った特別塗装機をJaluxがフィギュア化してくれないものかと密かに期待している。できれば1/500がいいが、この際、1/400で手を打ってもいい。