千倉の磯遊び

朝食後、千倉大橋南の磯へ出かける。我が家の定番の遊び場だ。午前中は、腰から上は水に浸からず、磯遊びをする。岩場に無数にいるイソガニやイワガニを捕まえる。珍しいカニとしては、長女が赤いベンケイガニ、妻が海藻で擬装したイソクズガニを捕まえた。極めつけは、次女が見つけたナマコ*1である。黒褐色で、長さは10cmほどだが、体が伸びると巨大なミミズのように20cmほどにもなる。口吻部にいくつも突起がある。石の下に群れていたので、娘たちは合計14匹も捕まえた。ウニャウニャとしたナマコがてんこ盛りになり、些かグロテスクな眺めだった。写真は、午前中の戦利品だ*2。左から、裏返しになったウノアシガイ、タワシウニ、イソクズガニ、イソスジエビである。

捕まえた生物を全部海に戻してから、昼食のため、いったん海から上がる。昼食は、磯のすぐ近くにある「いちまる」が我が家の定番になっている。ここの刺身定食は、魚が新鮮でおいしい。

午後になると、日が差してきた。やはり私の日頃の行いがいいらしい*3。シュノーケルをつけて、磯の浅瀬を泳ぐ。しかし、ハゼが数匹と、名前もわからない小魚の群に会ったくらいで、あまり面白くなかった。まだ季節が少し早いのだろう。この磯は、虹色に輝くニシキベラやちょろちょろ泳ぐハコフグが見られる場所なのである。

16時過ぎに海から上がる。千倉大橋北にある「カフェ・ド・ヴォン」でお茶でもしようと思っていたのだが、あいにく臨時休業だった。仕方なく、「潮風王国」の「散歩カフェ」に行き、ソフトクリームをなめる。

我が家には珍しく、17時過ぎに「Bird Land」に帰り着いた。娘たちが先に露天風呂に入っている間、妻とテラスでジン・トニックを飲む。水平線が雲に溶け込む中、屏風岩の沖合いを船がゆっくり行き交う様を眺める。テラスからの景色は、この13年間、まったくと言っていいほど変わっていない。二毛作の畑の先に水産試験場や民宿が並び、その向こうが太平洋である。Nさんに伺うと、「Bird Land」が開業したのは、1991年の8月1日だそうだ。我々は、その5日前に結婚披露宴を挙げている。我々夫婦の歴史と「Bird Land」の歴史が同時進行していたのは面白い。1994年以降、その二つが交わることになる。もはや、我が家にとって欠くことのできない訪問先だ。

日焼けの予防をしていなかったので、風呂に入ると、腕や首筋がひりひり痛い。

「Bird Land」の魅力の一つである夕食を堪能した後、持参した「ハウルの動く城」のDVDをプロジェクタTVをお借りして観る。私は前半寝てしまった。観終わった後は、娘たちと「脳トレ」をしたり、UNOをしたりしているうちに、千倉の夜が更けていった。

*1:部屋に戻ってから生物図鑑を調べたところ、クルマナマコ科のムラサキクルマナマコであることがわかった。

*2:ナマコの写真は眺めて気持ちのいいものではないので、掲載を控える。

*3:娘たちは、この日のために照る照る坊主を作り、「土曜日に雨を降らせたら、月曜日に打ち首の刑に処する。」と宣告していたそうだ。そのせいかもしれない。