ネットで鉄塔探索:武蔵野線その1

Yahoo!地図情報」で提供されている航空写真を使って、旧・武蔵野線の鉄塔探索をすることを思いついた。1/3,000の航空写真であれば、鉄塔の塔体や架空線を判別できるだけの解像度がある。小説「鉄塔武蔵野線」の見晴に倣って、最下流の81号(現・武蔵野線17号)から若番へ遡上していくことにする。

起点の武蔵野変電所は容易に見つかる。ここから鉄塔探索に出発である。変電所の1次側(北側)に何基か引留鉄塔が立っているが、中央の大きいものが武蔵野線17号(旧81号)だろう。北北東に紅白鉄塔が立っており、以降、架空線が明瞭に見える。これを辿っていくと武蔵野線の終点・新座変電所に到着する。しかし、これは武蔵野線と並行して走る片山線であり、武蔵野線ではない。私も最初は間違えたのだが、武蔵野線は、変電所の北北西に向かう。
新座第五中の体育館の東北東に鉄塔の影が見える。塔体ははっきり見えないが、ここに16号(旧80号)が立っているものと思われる*1
次の15号(旧79号)もわかりにくい。16号のほぼ真北、畑の脇の道路際にかすかに塔体らしいものが見える*2 *3
14号(旧78号)は、草地の中に長い影を引いているのでわかりやすい。小説「鉄塔武蔵野線」の「78号鉄塔は何もない芝生の中に立っていました。」という記述とも符合する。
そのまま北上すると、県道を越えた先の緑地の中に13号(旧77号)が立っている。塔体が白く明瞭に見える。
順番からいくと、次は12号のはずなのだが、ここで、武蔵野線は一時的に片山線に合流する。黒目川の手前に立つ紅白鉄塔が片山線9号で、武蔵野線はここに共架される。この鉄塔が武蔵野線12号の番号も持っているのか、武蔵野線12号が欠番なのかは、現地に行って番号札を見るしかない。
黒目川を渡ると、武蔵野線が分岐する。片山線は4導体なのか、架空線が明瞭に写っているので、そちらに目がいきがちだが、自動車教習所のコースの南脇に11号(旧76号)が立っている。
道路を挟んで教習所のはす向かいにあるシルバー人材センターの北側に立っているのが10号(旧75-1号)。これも長く影を引いているので見つけやすい。小説「鉄塔武蔵野線」で、「永遠の出発点」と名づけられている鉄塔だ。
9号(旧75号)は、10号の北北西にあり、青い屋根の上に影を落としている。
このあたりでは、武蔵野線は片山線と並走し、北東から南西へ横切る道路の脇に8号(旧74号)が立っている。片山線の鉄塔と仲よく影を伸ばしているのが視認できる。
次の7号(旧73号)はわかりにくい。8号からほぼ真北に林を切り開いたところがあるので、その上に架空線があるものと思われる。開鑿地の北の端に塔体らしいものが見える。小説「鉄塔武蔵野線」では、「73号鉄塔は、運送会社の倉庫と森の境目の奥に立っていて」とあるので、おそらくここだろう*4 *5
開鑿地から関越道を越えて真っ直ぐ北上すると、畑の先の緑地に6号(旧72号)が立っている。塔体は不明瞭だが、影がはっきり伸びている。
6号から北北西に曲がり、平林寺の境内に架空線用の開鑿地が見える。そのほぼ中央に5号(旧71号)が立っている。映画「鉄塔武蔵野線」の鉄塔探索はここから始まっている。ただし、旧71号は映画撮影後、建替えられているようだ。
開鑿地の延長上、ビニールハウスの横に4号(旧70号)が立っている。塔体・影ともに明瞭だ。
4号から北西に進み、志木街道を渡ってすぐ、変電所への道の左脇に3号(旧69号)が立っている。
2号(旧68-3号)および1号(旧68-2号)は終点・新座変電所の中だ。2号がわかりにくいが、門の脇に立っているはずだ*6。1号は変電所の南隅に立っており、別経路をたどってきた片山線を共架している。これでゴールである。

もちろん、航空写真、小説「鉄塔武蔵野線」、Web上のさまざまな情報を頼りに机上で追跡しただけで、現認したわけではないから、間違いがあるかもしれない。

次回は、武蔵野連絡線に挑戦してみよう。

武蔵野線 武蔵野線 線路 所在地
- - 武蔵野変電所 西東京市北町四丁目5番
17 81 武蔵野線 西東京市北町四丁目5番
16 80 新座市野寺四丁目2番
15 79 新座市野寺二丁目4番
14 78 新座市野寺二丁目1番
13 77 新座市道場二丁目21番
- - 片山線 新座市道場二丁目26番
11 76 武蔵野線 新座市堀ノ内二丁目1番
10 75-1 新座市堀ノ内三丁目4番
9 75 新座市堀ノ内三丁目2番
8 74 新座市本多一丁目3番
7 73 新座市本多一丁目14番
6 72 新座市野火止二丁目8番
5 71 新座市野火止三丁目
4 70 新座市野火止三丁目4番
3 69 新座市菅沢一丁目4番
2 68-3 新座市菅沢一丁目
1 68-2 新座市菅沢一丁目
- - 新座変電所 新座市菅沢一丁目

*1:「いくとこガイド」の航空写真で再チェックしたところ、体育館の東の空地と駐車場の間に鉄塔が立っているのが確認できた。

*2:「いくとこガイド」の航空写真でも、不鮮明ながら、青い屋根の細長い建屋の東側に鉄塔らしいものが立っている。

*3:念のため、「Google Maps」で調べたところ、「マップ」の最小縮尺の地図には、鉄塔の位置が表示されていた。やはり15号は、青い屋根の細長い建屋の東に位置している。

*4:「いくとこガイド」の航空写真には、やはり、開鑿地の北の端に倉庫の上に影を落としている鉄塔らしいものが見える。

*5:Google Maps」の「マップ」で確認したところ、やはり、7号の場所はここだった。「サテライト」の衛星写真を見ると、倉庫の上に鉄塔の影が明瞭に写っている。しかし、高度700kmのランドサット衛星から撮影した衛星写真と、高度1〜3kmの航空機から撮影した航空写真が同等に比較できるというのは、凄いことである。

*6:「いくとこガイド」の航空写真には、門の左側に鉄塔が明瞭に写っている。