トラブル連発のUA899便

12:15頃76番ゲートに戻ると、もうUA899便の搭乗が始まっていた。座席は往路のちょうど反対側だ。Cクラス最前列のバルクヘッド席は、前に座席がないうえ、Fクラスの直後に降機できるので、利用価値が高い。機内は比較的すいている。

12時半頃、「当機は定刻通りに出発。」との誇らしげな機長のアナウンスがあったが、その後、一向にスポットアウトする気配がない。12:40頃、「第4エンジン不調。部品交換をするので、出発は1時間遅延。」というアナウンスがある。窓外を見ると、第4エンジンに数人の整備士が取り付き、エンジンカバーを開けて何やら作業中だ(写真)。13:21、修理が終わり、第4エンジンが回り始めた。13:25、ドアクローズ。13:29、スポットアウト。Cタキシーウェイにプッシュバックされ、やれやれ、ようやく滑走路に向かうかと思いきや、「コンピュータが不調。ゲートに戻る。」という機長のアナウンス。76番ゲートに戻り、ドアがまた開いてしまった。

これは機材交換か、最悪、フライト・キャンセルだな、と思い始めた頃、「コンピュータは復調。6,000マイル航行するのに必要な燃料を補給してから出発する。」とのご案内がある。出発が遅れたので、有利な大圏コースを後続機に譲らされ、距離的に不利な航路を指定されたのだろう*1。もう何が起こっても驚かないが、「ユナイテッド航空にまたのご搭乗を。」と言われても願い下げだな、と思う。14:11、ドアクローズ。14:27、ほぼ2時間遅れで再びスポットアウト。離陸するまでは何を言われても信用せんぞ、と思っていたが*2、さすがに今度ばかりは、何事もなくR25の端に辿り着き、14:42に離陸した。

ロスアンジェルスからサンタバーバラのあたりまで、下界は一面の雲海だった。高度FL300で水平飛行になる。やがて雲が晴れてきたが、カーメルに差し掛かる頃、陸地から離れ始めた。やはり南寄りの航路を取るらしい。サンフランシスコのあたりは、遥か彼方の雲の中になってしまった。これでは、右側の席を取った意味があまりない。

食事サービスの後、歯を磨いて寝る。その頃には、FL320に上昇していた。

*1:出発直後、成田までの飛行距離は5,400マイルと案内されたが、実績は約5,730マイルだった。

*2:1年前、同じロスアンジェルス国際空港で同じユナイテッド航空B747が同じR25の端まで来てから、離陸許可書類不備のため、タキシーウェイ上で1時間も立ち往生した。http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20050519