八日僧とメガスターII

朝食後、妻が日本民家園での家族写真を撮り直したいと言う。11月26日に撮影した家族写真は、髪をカットする前だったので、お気に召さなかったらしい。その後、髪を切っても劇的な変化はなかったと思うが、本人の納得感の問題なので、出かけることにする。折りしも、昨夜作ったプラネタリウムの設計者・大平貴之氏が開発・製作したプラネタリウムメガスターII Phoenix」が稼動している青少年科学館のプラネタリウムに行きたくなっていたので、渡りに船の提案ではあったわけだ。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20051126

まず、日本民家園に入り、ロケハン。前回撮影した佐地家門は、当然のことながら紅葉が散ってしまっていたので見送る。雪囲いの取り付けが終わっていた菅原家(秋田県東田川郡朝日村)に決める。今日は来園者も少なく、人の迷惑にならずに写真撮影ができた。

北村家では、八日僧をやっていた。庭先の高い竿に籠が掲げてある。メッカリバアサンに対する魔除けである。これでようやく、年の瀬を迎えた気分になれた。そう言えば、12月8日はベランダにサンダルを出しっ放しにしていた。大丈夫だろうか。*1
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20031206

山下家まで戻り、昼食にする。今日は囲炉裏に火が入っており、木炭が赤く明滅している。例によって、なめこ蕎麦と冷酒。定番だ。帰りがけに、娘たちが店のおばさんに「暖かくなったらまた来てね。」と声を掛けられていたが、寒いうちにまた来るだろう。

いくつかの民家に立ち寄りながら、入口まで戻る。青少年科学館のプラネタリウムへ行き、15時からの上映を観る。従来の投影機(五藤光学GMII-16-T)の横に「メガスターII Phoenix」が設置されている。川崎市が全宇宙に誇る大平式プラネタリウムだ。*2従来の投影機を使って冬の星座を一通り説明した後、「メガスターII」の投影に切り替える。通常のプラネタリウムとはまるで次元が違う。宇宙空間が天体で稠密であることを実感させる。双眼鏡で見ると、天の川がガス状ではなく、恒星の集まりとして表現されていることがわかる。自分が銀河の中の一惑星上にいることを再認識させられる。地上から見る星空と違うのは、星が瞬かないことだが、気流のない宇宙空間では、このように見えるのだろう。河原郁夫氏の滋味溢れる語り口の解説と相俟って、非日常的な45分間であった。

*1:軒先に履物を放置しておくと、メッカリバアサンが印をつけ、災いをもたらすという。

*2:川崎市多摩区在住の大平貴之氏が開発・製作。投影可能な恒星数約410万。プラネタリウムは半天なので、投影されるのはその半分である。