ハリー・ポッターと炎のゴブレット

家族で新百合ヶ丘に映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を観に行く。アメリカではPG-13のレーティングになっていることもあり、家族で観に行くのは気が進まなかったのだが、原作シリーズのファンである次女のたっての願いで、しぶしぶ出かけることにしたのである。VIVRE駐車場の屋上から西を望むと、丹沢に落ちる夕日が美しかった。

期待していなかったとは言え、これほどまでにつまらないとは思わなかった。断片的なエピソードの集積という感じで、ドラマもカタルシスもない。これでもかとVFXてんこ盛りだが、ファンタジーを可視化するともはやファンタジーではない、というパラドックスに陥っている。ヴォルデモート卿にレイフ・ファインズを起用しながら、あのメイクでは誰が演っても同じだろう。*1音楽がやけに平凡になったと思ったら、ジョン・ウィリアムズでなくなっていた。終わるまでの2時間半、何回欠伸をしたか勘定できない。

終了後、真っ先に次女に感想を聞く。「どこもかしこも本と違う。失望した。」とぷりぷり憤慨している。映画シリーズのランキングを尋ねると、次女が「賢者の石、秘密の部屋、炎のゴブレット、アズカバンの囚人」、長女が「賢者の石、炎のゴブレット、秘密の部屋、アズカバンの囚人」という順番だった。私と違って「アズカバンの囚人」に対する評価が低いが、ふたりとも「賢者の石」を一推しにしているのはわかる気がする。最もミステリアスな雰囲気を湛えていたのは、案外、第一作だったのかもしれない。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20040718

例によって、5階の回転寿司屋で夕食をとってから帰る。

*1:前作「アズカバンの囚人」のゲイリー・オールドマンといい、「秘密の部屋」のケネス・ブラナーといい、このシリーズは名優を無駄に使う悪癖がある。