長沼線

その後、洋服を見たい妻子と「お互いの幸せのため別れ」(うちはこういうシチュエーションでこの台詞を使う)、私は、駐車場の向こうに見えた鉄塔を見に行く。都営南大沢団地の方へ上っていくと、長沼線16号鉄塔が立っていた。4回線66kVの立派な鉄塔だ。15号は、京王線の線路をはさんで谷向こうだったので、下流へ向かうことにする。団地内の歩道の下の方に立っている17号は後で見ることにして、団地の真ん中に立っている18号へ。そこまで行くと19号が目と鼻の先だ。こんな調子でやっていると、どんどん遠ざかってしまう。上柚木公園の中の見晴台に立つと、20号まで行けそうだったが、妻子との待ち合わせ時間に遅れるので、打ち止めとした。鑓水方面は、雑木林に覆われた丘陵が続いている。多摩ニュータウンの蚕食も南大沢までのようだ。多摩テックの観覧車、中央大学の校舎、そして東京西線の鉄塔も眺め渡せた。団地の中を戻る。バウハウスを気取ったようなデザインの高層住宅が画一的に並ぶ様は異様だった。敷地内に残る林から推察すると、かなりの雑木林がこの建築群のために犠牲になったようだ。17号の足元には、都立大学に給電するための柚木分岐所があった。約束の時間と場所で妻子と落ち合う。