八日僧

恒例の年賀状用の家族写真を撮るために、生田緑地の日本民家園に出かける。今年は合掌造りの家というイメージがあったので、五箇山合掌造りの江向家を借景にした。

九十九里の作田家で床上をしていたので、囲炉裏の火にあたらせていただく。昔の人は、闇の中、波の音を聞き、囲炉裏の炎を眺めながら、何を思ったのだろうか。

白川郷合掌造りの山下家の蕎麦屋で昼食。ここの蕎麦はうまい。冷酒を飲んだらいい気持ちになった。

食後、園内を一周する。秦野の北村家では川崎・横浜の多摩丘陵地帯に残る「八日僧」の伝承に倣って、魔除けの籠を高く掲げていた。昔、12月8日の夜更けに災いをもたらすために人里に下りてくる一つ目小僧(別伝では隻眼のメッカリバアサン)を避けるため、目の多いもの(=籠)を軒先に掲げたのだそうだ。川崎の民俗伝承には興味深いものが多い。