「黒い雨」読了

広島原爆忌を機に読み始めていた井伏鱒二の「黒い雨」を読了しました。淡々とした筆致で、原爆投下後の広島の惨禍と二次被爆の恐怖を交互に描いていきます。映画「黒い雨」を先に観ていましたが、映画が主として後者に重点を置いているのに対し、小説は、日常が原爆投下を境に一挙に非日常に、そして非日常が日常に変化していく様を被災者の視点から描いており、写真や映像とは違った形で原爆の恐ろしさを実感させてくれます。娘たちにも読ませることにしましょう。*1
黒い雨 (新潮文庫)

*1:長女が使っている中学校の国語の教科書(学校図書社)に、抜粋が収録されています。