スイスのJu-52/3m g4e

開封屋で「世界の旅客機コレクション」のシークレット・アイテムだったJu-52を見つけました。1,785円とちょっと値がはりましたが、私の好きなJu-52は、フィギュアの種類が少ないので*1、迷わず買いました。

JUエアのJu-52
これは、スイスの航空会社JUエアが遊覧飛行に運用しているHB-HOP(Ju-52/3m g4e)の1/200のフィギュアです。このシリーズは、いずれも出来がよいのですが、これもJu-52の特徴である波型の外板や「温室」と綽名された操縦室の窓枠などを克明に再現しています。両翼のエンジンも、実機通り、ちゃんと外側を向いています*2。HB-HOPは、何度か塗装転換されていますが、このフィギュアは、1980年代後半のカラースキームを再現したようです*3

HB-HOPは、スイス空軍が所有し、JUエアに貸与している機材です。1939年10月にデッサウのユンカース航空機工場で製造され、スイス空軍が受領した正真正銘の軍用機型のJu-52/3mです。ドイツ軍将兵から「Tante Ju」(ユーおばさん)と愛称されたドイツ空軍の主力輸送機Ju-52/3mの数少ない生き残りです*4。1939年から1982年8月まで、A-703号機として航法訓練機・輸送機として運用されていました*5

JUエアは、HB-HOPのほかに、HB-HOS(旧A-701号機)、HB-HOT(旧A-702号機)と、全部で3機のJu-52/3mを運用しています。いずれも、HB-HOPと同様、スイス空軍で運用された純正のJu-52/3m g4eです。これらのほかに、1949年にスペインでライセンス生産されたJu-52/3mであるCASA 352A-3(HB-HOY)を運用しています。僚機と同様、BMW 132 A3エンジンを搭載しているので、外観上はJu-52/3mと区別がつきません。従って、JUエアは、4機のJu-52/3mを擁してしているように見えます。これらが元気に空を飛んでいるうちに、一度乗りに行かなければなりません*6

*1:herpaからは、1/160、1/400、1/500の3種類のスケールで発売されており、私は、そのうち1/500のD-AQUIとAZ+JUを持っています。

*2:3発機であるため、型翼のエンジンが停止しても直進できるようにするためなのだそうです。

*3:ディアゴスティーニ「World Aircraft」FILE160-03に、このフィギュアと同じHB-HOP/A-703号機のカラースキームが掲載されています。現在は、ルフトハンザ航空機風に機首を黒く塗り、軍用機番号は表示していないようです。

*4:第2次世界大戦中、5,000機近く製造されながら、その機動性・防御性の低さのため、大部分が失われました。

*5:ディアゴスティーニ「World Aircraft」FILE160-03に第2次世界大戦中、中立国機塗装仕様だった頃のA-703号機の写真が掲載されています。

*6:現在、飛行可能なJu-52/3m・CASA352は世界で7-8機と言われています。