大阪へ

これで今日の予定は終わりです。インクラインまで参道を下っていき、タクシーに乗りました。運転手さんに「京都の桜は見事ですね。」と言うと、「まあ、こんなもんでっしゃろ。染井吉野は早いからね。」とあまり気乗りしない返事です。聞けば、洛北あたりは、来週も紅枝垂や八重がきれいなのだそうです。染井吉野に喜んでいるのは、無粋な東人、ということなのかもしれません。でも、いろいろ話をしているうちに、岸部一徳似の運転手さんとすっかり意気投合し、最後は、「もっと早ようお聴かせすればよかったですな。」と言いながら、春日八郎のMDをかけてくれました。このへんが旅の面白いところです。

三条・四条方面は大渋滞だったので、運転手さんの提案で京阪始発駅の出町柳駅へ行き、降ろしてもらいました。おかげで、17:32発の京阪特急に座わることができました。一日の疲れがどっと出て、目が覚めたら、もう大阪府に入っていました。母はひとり起きて車窓の景色を楽しんでいたようです。

天満橋駅で下車し、駅ビルの中にある大阪キャッスルホテルに投宿しました。810号室がわれわれの部屋です。眼下には、黄昏の中、大川(旧淀川)がゆったり流れていました。