ズスケの無伴奏ヴァイオリン

最近、妻がバッハに興味を示している。習っているピアノとウクレレをきっかけに、バッハの器楽曲の魅力に辿り着いたようだ。妻の興味の赴くままに、これまでイギリス組曲フランス組曲(いずれも曽根麻矢子)、リュート作品全集(ユンクヘーネル)、ブランデンブルク協奏曲全集(ヴィンシャーマン)等のCDを買った。

先日、シャコンヌに惹かれて、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータが聴きたいというので、誰のCDを買うか、さんざん迷った。妻は、HMVの試聴で「シゲティが気に入った。」と言うが、最初にあまり極端なものを聴かせるのは、芳しくない。私は、アナログ・レコードで持っているクレーメルの旧盤をCDで買い直したいと思っていたのだが、同様の理由で忌避した方がいいだろう。というわけで、ネット上の情報で比較的評判のよかった(かつ値段も安かった)カール・ズスケのCDにした。

今日、配達されたので、さっそくソナタ第1番・第2番とパルティータ第2番を聴いてみる。落ち着いたテンポで、一音一音噛みしめるような演奏だ。楽器名は表示されていないが、つややかな音色で聴きやすい。最初は、骸骨のようなシゲティや幽鬼のようなクレーメルではなく、こういう朴訥で円満な演奏で聴くのがいいだろう。
バッハ:無伴奏VNソナタ全集