「あなたもDSでクラシック聴いてみませんか?」
今日発売のニンテンドーDSソフト「あなたもDSでクラシック聴いてみませんか?」(スクウェア・エニックス)を買う。今は亡き東芝EMIから出ていた「Best Classics 100」の音源を用いて、クラシックの名曲100曲に親しんでもらおうという教養ゲームソフトである。さっそくプレイしてみた感想は、以下の通りである。
- リーフレットに明記されている通り、オリジナル音源がフルバージョンで収録されているわけではない。ニンテンドーDS用ROMカートリッジの限られたメモリ容量に収まるのは、各曲ともせいぜい1分程度である。サンプル盤と思った方がよい。
- 音質も悪い。ヘッドフォンで聴くと、ダイナミックレンジが狭く、歪みも大きくてびっくりする。これも、容量制限から仕方のないことである。ただし、再生音は、ニンテンドーDS用にチューニングしているらしく、本体のスピーカで聴くと、音質の悪さがあまり気にならない。
- 入門用とは言え、やや曲の偏りがある。作曲家別の曲数ベスト7は、以下の通りである。
順位 | 作曲家名 | 曲数 |
---|---|---|
1 | J.S.バッハ | 13 |
2 | モーツァルト | 11 |
3 | ベートーヴェン | 8 |
4 | ヘンデル | 6 |
4 | ショパン | 6 |
6 | チャイコフスキー | 5 |
7 | ドビュッシー | 3 |
7 | ラヴェル | 3 |
7 | サティ | 3 |
マーラー、ブルックナー、シュトラウス、ショスタコーヴィチがないのはやむを得ないとしても、ブラームスがないのは、ちょっと寂しい。
- リーフレットに曲目一覧表がないのは不親切だ。ソフトを立ち上げて、曲目リストを表示し、順番にスクロールしていかなければ、全貌が掴めない*1。
- 他方、各曲の「ウンチク」パートや「音楽辞典」はよくできている。要領よく曲目解説されているほか、作曲家や作品に所縁のきれいな写真が各曲5葉ずつ収録されており、眺めるだけでも楽しい。
- 「クイズ」パートは、「ウンチククイズ」と「曲当てクイズ」がランダムに出題される。「ウンチククイズ」は、けっこう引っ掛け問題が出題される。私は、「カルメンがハバネラの場面で口にくわえている花は。」の質問を見事に間違えた*2。「曲当てクイズ」も、わずか3秒しか再生されないので、油断は禁物である。いずれも初心者向けと侮ってはならない。
- 初期画面では、さわりの部分を10〜20秒ずつランダム再生する。「あれ、この曲何だっけ?」と思ったら、「この曲、気になる」ボタン押下で、たちどころに「ウンチク」が調べられる。いわゆる「通俗名曲」に弱い私にとっては、ありがたい機能である。
- これからクラシック音楽を聴こうという方には、うってつけのソフトである。上中級者もそれなりに楽しめる。ただし、上述の通り、音楽鑑賞ソフトと思って買うとがっかりするので、その点だけはお間違えのないように。