日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007

今秋開催される「日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007」の一般発売が今日から始まった。井上道義サンクトペテルブルク響、広島響、東京フィル、名古屋フィル新日本フィルと5つのオーケストラを振り分けて、8回の演奏会でショスタコーヴィチ交響曲全曲を演奏するという、画期的なプロジェクトである。

8公演セット券を予約するつもりで、10時に「e+」に接続すると、8公演セット券の発売が1週間延期されたうえ、公演当日の空席の中から座席が割り当てられるという方式になったという。演奏会場の日比谷公会堂*1は、音響の悪いホールなので、予めどこに座れるかわからないのは都合が悪い。やむなく、各公演の1回券を予約することにした。セット券に比べると、かなり割高になるが、「e+」は座席ブロックが選択できるので、座席指定料と考えることにした。もともと、全席一律3,000円という信じがたい料金設定なのだ。

井上道義指揮の全曲演奏会と言えば、井上道義新日本フィルと1999年9月から2000年7月にかけて*2挙行した「マーラーツィクルス1999-2000」の記憶が生々しい。10公演とも、20世紀のマーラー演奏を総括するのにふさわしい世界最高と形容してよい演奏会だった。特に、第1、第6、第7、「大地の歌」がすばらしく、最後の第9に至っては、あまりの感動に、以降、演奏会で第9を聴く気が起きなくなってしまったほどだ。今回のショスタコーヴィチも、井上道義の思い入れの強い作曲家だけに、どのような成果を挙げるか、今から楽しみである。

*1:私が初めて聴いたクラシックの演奏会は、日比谷公会堂で行われたグシュルバウアー指揮読売日響の定期演奏会で、オール・モーツァルト・プログラムだった。音響の悪い日比谷公会堂でも、弦の音が柔らかく響き、レコード録音と実演がまるで違うことを実感した。そのほかに聴いた日比谷公会堂での演奏会は、今は亡き山田一雄の指揮による新響のマーラー第6だけだ。

*2:ツィクルス自体は6月9日の第9が最終だったが、公演時の事故で実況録音に失敗した第1の再録音のための演奏会が7月29日に行われた。