晴れ

会社の帰りにゲームセンターの前を通りかかると、店先のクレーンゲームの中に「くわがたツマミ」のぬいぐるみ人形が山盛りになっている。見れば、触れなば落ちん場所に1体引っかかっている。「くわがたツマミ」は娘たちに人気のキャラクターだ。これまでも、クレーンゲームで見かけるたびに、娘たちに土産と思って挑戦し、幾度となく敗退・散財している。今日こそ、と勇みたつ。幸か不幸か、ポケットに百円硬貨がなかったので、千円札を両替しようと鼻息も荒く店内に入る。そのとき、機先を制するように、携帯電話が鳴る。
私「もしもし。」(おっと、妻だ。)
妻「もしもし、今どこ?」
私「会社の帰り。」(ゲームセンターの中、とは言えんわな。)
妻「ちょうどよかった。悪いんだけど、お味噌を切らしちゃったのよ。帰りがけに買ってきてくれる?」
私「へ、あ、み、味噌ね。了解。」(ちょうどよくないやんけ。)

出鼻をくじかれ、我にかえると、両替もせずに店を後にしたのであった*1

*1:翌日、同じ店の前を通ると、「くわがたツマミ」は、ほかのキャラクター人形の下敷きになって、到底取れそうもない状態になっていた。やはり、物事は勢いが肝要である。