ANA WING COLLECTION 2

エフトイズの「ANA WING COLLECTION 2」を売ってはいまいかと、未練がましく、帰宅途上で新宿のヨドバシカメラに立ち寄る。ゲームホビー館3階の食玩売場には、まだ再入荷していないようだった。諦めて帰ろうとしたが、ふと思い立って4階へ行ってみると、ボックスが何箱も置いてあった。危ないところだった。迷わず1ボックス買う。

エフトイズは良心的な会社なので、1ボックス買うと、シークレット1点を含むコンプリートになる。私の買ったボックスは、コンプリート8箱+シークレット(JA8733)+ダブリのJA8133という内容だった。

【YS-11A】
1969年(モヒカン)塗装のJA8744(製造番号2116)と1984年(トリトンブルー)塗装のJA8756(製造番号2089)である。JA8744は何故か縁のある機材で、同じ1969年塗装の1/144のプラモデル、1/500のフィギュア(ローソン)、1/533のフィギュア(タイムスリップ・グリコ)を持っている。今回のフィギュアは、プラモデルは別として、他のフィギュアよりもはるかに出来がよい。プロペラや降着装置はスケール感通りだし、何より、複雑な形状の顔をきちんと再現しているのがよい。貨物牽引車が付属しているのも面白い。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20061012
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20061021

JA8756は、1991年8月31日に全日空のYS-11A最後の旅客定期便となった新潟発仙台行き720便に使用された機材なので、YS-11A退役の年に発売される本シリーズに相応しい選択だ。JA8756は、全日空退役後、エアーニッポンにリースされ、さらにフィリピンの航空運送会社に売却された。2000年に現地で退役し、解体されて日本に里帰りした後、愛媛県松山市郊外でレストランに改造された。しかし、その後焼失したという。

シークレット*1JA8733(製造番号2102)は、1953年塗装である。私の知る限り、全日空の1953年塗装のYS-11Aは、これが初めてのフィギュア化のはずだ。もっとも、1969年就航のJA8733が本当に1953年塗装だったのか若干疑問に思ったので、今年10月に国立科学博物館で見た「YS-11 国産旅客機44年の航跡」の展示パネルの写真を調べてみた。すると、就航直後の1969年4月20日伊丹空港で撮影された1953年塗装のJA8733の写真があった。JA8733は、後に1969年塗装・1984年塗装に変換されているので、貴重なフィギュアである。YS-11量産100号機であるJA8733は、悲劇的な運命をたどったJA8756とは対照的に、国内で無事退役を迎え、現在は、佐賀空港で静態保管・一般公開という幸せな余生を送っている。一度会いに行ってみたいものだ。

B747SR-81】
1969年塗装のJA81331984年塗装のJA8157である。やはり今年退役したSR-81のラインナップとしては、初号機JA8133と最終退役機JA8157が妥当な選択だろう。いずれも、全日空商事のフィギュア(NH50044・50037)を持っているが、こういう歴史的機材は、いくつあってもよい。

JA8133は、11月に発売された森永製菓の「Collectors日本の翼」にも登場したが、およそ比較にならない。本機では、全日空商事や森永製菓のフィギュアでは省略されていた主翼端のHFアンテナもきちんと再現されている。これがないと、クラシック・ジャンボらしくない。

JA8157は、SR-81の最終旅客運行便となった3月10日の鹿児島発羽田行きANA624便の機首に施された「ありがとう!SR」の特別塗装がデカールで再現されており、史料的価値も高い。今年1月に搭乗した機材なので、感慨深いものがある(写真)。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20060106

A320-211】
1984年塗装のJA8382ANA塗装)とJA8387ANK塗装)である。全日空A320は、エアーニッポンとの共通事業機材なので、ANA塗装とANK塗装の2パターンを用意したのは、秀逸だ。これも、私の知る限り、全日空A320の1/500フィギュアはないはずなので*2、貴重である。A320は沖留めの機会が多いのか、パッセンジャーステップ車が付属している。欲を言えば、長胴型のA321-131もフィギュア化してほしかったところだが、次回に期待することにしよう。

A320/321は搭乗したことがない。全日空は、中型機フリートをB737-781に集約していく方向のようなので、今のうちに乗っておかねばなるまい。

B737-781】
そのA320/321を駆逐していくことになるB737-781である。ゴールドジェットJA01AN1984年塗装のJA03ANが採用されている。これも、森永製菓の「Collectors日本の翼」のJA01ANとは比較にならないほど出来がよい。航空牽引車が付属しているのも点数が高い。今月末に全日空商事から同じJA01AN・03ANの1/500フィギュアセットが出るようなので、入手することにしよう。

というわけで、当シリーズは、全日空の旅客機ファンであれば必携のアイテムである。メタルフィギュア1機分にも満たない金額で、上記が前部揃うのだから、格安と言っていいだろう。

*1:シークレットは2種類あり、もう一つは1/300のJA8744のようだ。しかし、縮尺違いの同一機種よりは、同一縮尺の珍しい機体の方がうれしい。

*2:1/400では、GeminiJetsがJA8313とJA8400を出したことがある。