セルのモーツァルトとブラームス

セルのモーツァルト・ボックスから、交響曲第28・33番、セレナーデ第9・13番(「ポストホルン」「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」)を聴く。いずれもすばらしい。これらの演奏の溌剌かつ馥郁とした響きを聴けば、誰も、セルを冷徹な即物的表現主義者とは思わないだろうし、アメリカのオーケストラが機能一辺倒とも思わないだろう。

モーツァルト・ボックスと併せて注文したブラームス・ピアノ協奏曲全集も聴いてみる。独奏は、ルドルフ・ゼルキン。いずれも重厚かつ剛毅な演奏で私好みだ。特に、第1協奏曲は、たたみかけるような演奏が最高に「格好いい」。この曲は、第1交響曲と同様、曲に気合が入りすぎていて疲れるので、好んで聴くわけではないのだが、こういう演奏で聴くと、つくづく「プラームスはいいなあ。」と思う。高校生の頃は、ブラームスが一番好きな作曲家だった。