*3大阪出張

今日も大阪へ日帰りの出張に出かける。わずか1ケ月足らずの間に大阪に3回も行くのは初めてだ。

朝、会社で一仕事してから、品川11:27発のぞみ217号(217)に乗車する。300系J42編成の5号車8番B席に座る。車内は比較的空いていたので、10番E席に移る。富士山は、雲の上に真っ白い顔をのぞかせていた。名古屋で9番A席に移り、車内販売で買った駅弁を食べる。車窓の景色を眺めながらの駅弁はおいしい*1。関が原のあたりは、紅葉の盛りで、冬がもうそこまで来ていることを感じさせた。伊吹山は、頂上が雲に覆われていた。雪になっていることだろう。13:53新大阪着。地下鉄・御堂筋線で最初の仕事先へ移動する。

最初の仕事先のビルの正面玄関に「下駄でいらした方は、ここでスリッパに履き替えてください。」という立て札が置いてあった。「下駄で来るおっさんがそんなにおるんかい!」と思わず大阪弁で突っ込みを入れてしまった。誤解なきよう申し添えると、決して怪しい場所ではない。至極まっとうなビルである。

淀屋橋から京阪電車で次の仕事先へ行く。京阪の淀屋橋駅のホームは、1面4線という珍しい形態だ。島型ホームの前半分の幅を狭くし、1番線と2番線を設け、幅が広くなっている後ろ半分に3番線と4番線を設けている。このうち、区間急行・普通用の2番線と急行・準急用の3番線は、それぞれ独立した線路だが、区間急行・普通用の1番線と特急用の4番線は、何と縦列である。普通と特急の2編成が縦に並んで停車している、という珍しい光景だ。普通列車が発車した後、特急列車が発車し、特急列車が入線してから、普通列車が入線する、というまことにややこしいことになっている。しかし、狭い地下のターミナル駅としては、合理的と言えるだろう。

途中駅で、孫息子二人を連れたおばあちゃんが乗ってきた。幼稚園児とおぼしき上の子としりとりを始める。
祖母「マッチ棒。」
孫「チーズ。」
祖母「マッチ棒やから、『う』、やんか。」
孫「だって、聞こえんかってんもん。」
祖母「それはマッチごうてる。」
・・・。大阪では、おばあちゃんも笑いを取るべく必死である。

次の仕事が終わったのは19時近かった。今日は、どこにも寄らず、食事もせずに直帰することにする。大阪駅で新幹線の座席予約をすると、新大阪19:53発のぞみ46号(46)が取れた。ただし、窓側・通路側は満席で、3列中央のB席である。まあ、仕方がない。新大阪までJRの快速で移動。新大阪で家族への土産(大阪銘菓の詰め合わせ)を買う。26番線のホームで列車を待っていると、ちょうど真上をJALB777-200が爆音を轟かせて通過していった。降着装置を下ろし、大阪国際空港の32Lへの着陸態勢に入っていた。

19:53、700系C15編成に乗車。座席は、5号車8番B席。偶然、往路と同じ座席番号だ。何かの啓示だろうか。両側を挟まれて窮屈だが、仕方がない。発車後すぐに、ノートPCを開いて、ネットへの接続を試みる。しかし、なぜか電波の状態が悪く、なかなかつながらない。京都に着く頃、ようやくつながる。以降、メールをチェックしたり、出張報告を書いて送信したりする。新大阪で買ったビールにありつけたのは、21時を回った頃だった。ビールを飲み終わった後は、ウェブ・ブラウジングをしたり、Blogの原稿を書いたりしたので、結局、一睡もすることなく、22:10新横浜着。菊名・武蔵小杉乗換えで帰宅する。

しかし、大阪は行けば行くほど、興味をそそられるところだ。おそらく、大阪の繊細かつ合理的な文化に惹かれているのだろう。最近、立て続けに大阪関連の本を読んだ。札埜和男大阪弁「ほんまもん」講座」(新潮新書)は、「にせもん大阪弁」と「ほんまもん大阪弁」を言語学的な観点から解説している。わかぎゑふ大阪弁の詰め合わせ」(講談社文庫)は、大阪弁というより、大阪文化を語っている。ひじょうに面白い。
大阪弁「ほんまもん」講座 (新潮新書) 大阪弁の詰め合わせ (講談社文庫)

*1:最近、妻から「本当に乗り物好きねえ。」と言われたが、男の子は乗り物好きと相場は決まっているのだ。