ラトルのマーラー第6

先日買ったサイモン・ラトル指揮のマーラー第6交響曲のCDを聴く。「惑星」と同じベルリン・フィルの演奏だが、1987年11月の録音なので、20年近い時差がある。カラヤン治世下のベルリン・フィル最盛期の重厚な音が響き、とても同じオーケストラには聞こえない。私は、ショルティベルティーニ井上道義タカ派の演奏を好むが*1、この演奏もその系譜に属する。唯一惜しまれるのは、スケルツォとアンダンテを入れ替えて演奏していることだ。国際マーラー協会「全集版」の総譜に従って、アレグロ・エネルジコ->スケルツォ->アンダンテ->アレグロモデラートの順に演奏してもらいたい。

*1:最右翼はショルティで、第4楽章では第3ハンマーまで打撃する非情さを発揮している。他方、「非タカ派」の別格的存在がバルビローリである。1966年のベルリン・フィル盤、1967年のニュー・フィルハーモニア盤いずれも情念が横溢した演奏で素晴らしい。