国立新美術館

夕方、仕事で政策研究大学院大学に行ったついでに、隣で開館準備中の国立新美術館に寄ってみる。一面ガラスウォールで、直下型地震に見舞われたら、ガラス片の山と化してしまいそうな建物だ*1

それにしても、「国立新美術館」という命名は何とかならないものか。既存の国立美術館との相対的な前後関係だけで永久に「新」を冠するのは、いかがなものかと思う*2。国立の美術館は、「東京国立近代美術館」「京都国立近代美術館」「国立西洋美術館」「国立国際美術館」と、いずれも修飾語がついているので、この際、ワシントンD.C.やロンドンの「ナショナルギャラリー」に倣って「国立美術館」にすればよかったのに*3

政策研究大学院大学の構内*4から写真を撮っていたら、大学の警備員が出てきて誰何された。「納税者だ。」と名乗ろうかと思ったが、素直に「大学に用事があります。」と答えて事なきを得た。

*1:設計:黒川紀章

*2:新国立劇場」は「国立劇場」があるのでまだわかるとしても、「国立歌劇場」か、それが都合が悪いなら「国立舞台芸術劇場」とか、もう少しましな名前があったろうに。私は、馬鹿らしいので、単に「初台」と呼ぶことにしている。

*3:帰宅後、国立新美術館のホームページを調べたところ、仮称として「新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)」と呼ばれていたようだ。美術品の保存・研究よりも企画展覧会に重点を置く運営方針なので、この仮称がついたらしい。しかし、常設コレクションが貧弱なのであれば、ワシントンD.C.やロンドンと同じ「ナショナル・ギャラリー」を名乗るのは具合が悪かろう。だったら、「国立美術展示場」あたりが妥当な名前ということになる。ちなみに、英語名は、「THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO」だ。そもそも論としては、そのような「器」だけの国立施設がいるのか、という問題があるが。

*4:構内の一角に東京大学生産技術研究所として使われていた旧第一師団歩兵第三連隊兵舎の一部が保存されている。2.26事件で叛乱軍が決起した場所である。