Wilm2006-05-29

曇り

ゲーム機嫌いの妻は、DS Liteが家庭内に侵入したことでお冠だ。私も、娘たちが勉強そっちのけでゲームにハマるのはよしとしないので、週日は私がDS Liteを持ち歩くことにした。これは、すなわち、「nintendogs」のイヌたちの飼育責任を図らずも私が引き受けたことを意味する。ちなみに、昨日、長女の懇請に負けて、オスのウェルシュコーギーを買ったので、2匹のイヌが我が家のDS Liteの中に住むこととなっている。長女は、コーギーを「たろう」と名づけた。

昼休みに、イヌたちの様子が気になったので、DS Liteの電源を投入すると、柴犬のさくらがぐったりしている。動物虐待をしているような罪悪感と、早く何か手を打たねばという焦燥感を覚える(相手は、たかがコンピュータ・プログラムとグラフィックデータなのに、である)。慌てて「飼犬情報」を見ると、2匹とも喉が渇き、腹が空いた状態になっている。昨日、あり金はたいてコーギーを買ったおかげで、所持金は僅かしかない。やむなく、リサイクルショップで手元の品(木片)を売って、小銭を稼ぎ、水を買ってやる。何とか喉の渇きを抑えたところで、さあどうするかと思案していると、電池切れでいきなり画面が暗転してしまった。

夜、病気のイヌを2匹抱えたような心境で帰宅すると、娘たちがまだ起きていた。彼女たちに処置を任せると、果断におもちゃ(しゃぼん玉)をリサイクルショップで売って、ドッグフードを買う。イヌたちの飢えがとりあえず治まったところで、フリスビーの得意なさくらをディスクドッグ大会に出場させる。このあたりの、迅速かつ的確な判断力は、実生活においても発揮してもらいたいものだ。

長女の適切なフリスビーの投擲もあって、さくらは次々とジャンピング・キャッチを決める。20点を稼いで、ぶっちぎりの1位に輝いた。優勝賞金は、何と5万円である。これに気をよくした長女は、続けて出場し、今度も見事1位。賞金10万円を獲得して、我が家の経済状態は一挙に改善した。水とドライフードの餌がミルクとウェットフードにグレードアップしたのは言うまでもない。

誤解のないように申し添えると、上記はすべて、2枚の3インチTFT液晶ディスプレイ上で起こっていることである。どれくらい感情移入するものなのか試してみたいと思っていたのだが、想像以上である。万一、イヌが栄養失調で死ぬようなことでもあれば、相当な精神的打撃を受けるのではないか。恐るべきバーチャル・リアリティである。同じ育成系ゲームでも、「たまごっち」のキャラクタは、記号性が強かったので、ここまで感情移入することはなかった(少なくとも私は)。