稲城砂層

菅のあたりの裏道を適当に走っていると、三沢川に出た。京王線の高架の向こうに「穴澤天神社」の看板が見えたので、自転車を止めて、石段を登っていく。なかなか立派な社である。本殿の裏には、露頭があり、幾重にも重なった砂層*1の中に横穴があいている*2

参道を戻ると、尾根に上がっていく小径があったので、登っていく。新緑が日の光に透けて美しい。シジュウカラメジロの囀りが聞こえ、ちょっとした深山の雰囲気だ。尾根筋に辿り着くと、小沢城址だった。この道は天神坂命名されているようだ。往路を引き返し、自転車のところまで下りる。

三沢川沿いに進むと、弁財天社があった。鳥居の奥には、小さな洞窟が口を開けている。中に入ってみると、奥行きは10mほどで狭いが、天井から水が滴り落ちている。奥に小さな石仏が祭ってあった。洞窟の脇では、湧水を汲んでいる人がいる。途中の崖線でも水音が聞こえ、稲城砂層が透水性が高いことがわかる。

三沢川を多摩川の合流地点まで下る。途中、マガモハクセキレイを見かける。以前、カワセミを目撃したこともあるのだが、今日はお目にかかれなかった。

*1:約100万年前に形成された上総層群の一部である稲城砂層。浅海の海成層なので、海砂である。

*2:かつてはここに石仏が祀ってあったが、威光寺の弁天洞窟に移されたという。ここも、弁天洞窟と同様、横穴墓だったのだろう。http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20060115