サンフランシスコ出立

今日も6時半頃に起きる。入浴後、荷造りをしてから散歩に出かける。ホテルのすぐ前がサンフランシスコ湾だ。薄く朝靄がかかり、海は静かに凪いでいる。沖合いに伸びるサンフランシスコ国際空港の28L/28Rに旅客機が着陸するのを眺める。ユナイテッド航空のA319、A320B747-422、B757-222、CL-600-2C10、スカイウェスト航空のEMB-120(昨日乗った機材と同型機だ)、アラスカ航空B737-890WLなどが降りてくる。日本に就航していないB757を見ることができたのは貴重だ。面白かったのは、ユナイテッドのA319が28Lに、スカイウェストのEMB-120が28Rに、仲よく並んで着陸していった。*1

いつまで見ていてもきりがないので、いったん部屋に戻ってから、1階の吹き抜けのレストランで朝食をとる。椰子の木が茂り、滝が流れて、ちょっとしたリゾート気分だ。やはり出張で泊まるところではなさそうだ。食後、荷物をまとめ、チェックアウト。8:55の空港行きのシャトルバスに乗る。今日も、隣のホテルから乗り込んできた乗務員たち(たぶん昨夜の人たちだ)がユナイテッド航空の国内線ターミナルで一斉に下車し、私ひとりが国際線ターミナルで下車する。

全日空のカウンターでチェックイン。予約してあった19Kからもっと前のK席へ移動を希望したが、満席で駄目だと言われる。仕方ない。どうせ免税品店にはろくなものがないので、サンフランシスコ現代美術館のミュージアムショップで妻子へのお土産を買う。その後、自分へのお土産と思って飛行機模型店のアヴィエーション・インクへ行くが、あろうことか、閉店中だった。諦めて、安全検査場へ行く。あまり込んでおらず、あっさり通り抜けられた。

まず、搭乗口のG95ゲートに行ってみる。駐機中の機材は、JA707A(B777-281ER)。1999年10月7日の登録だ。ターミナルをぐるっと回ってみるが、ユナイテッド機ばかりで面白くないので、ラウンジへ行く。ユナイテッド航空のレッドカーペット・クラブなのだが、ビールも置いていない。さすが、企業再生手続中の会社だ*2。早々に引き上げて搭乗口に行く。

またもやNH7便の出発が遅れ、搭乗開始は、本来の出発時間を過ぎた10:55頃だった。今回の出張で、定刻に出発した便は、サンディエゴ行きのUA6166便だけだ。Cクラスは満席。乗客のコートを預かるのにも時間がかかり、客室乗務員は焦り気味だった。11:22スポットアウト。機外は雨が降り出した。昨夜降り立った28Lの端までタキシングしていく。途中、昨夜の宿が見えた。11:39、28Lから離陸。すぐに雲の中に入ってしまい、サンフランシスコの街は見えない。これでは、せっかく右側のK席を取った意味がない。スカイマップを見ると、離陸後ほぼ真っ直ぐに内陸を北上していく。ジェプセンの航空路図を見ると、J501という航空路のようだ。12時にFL340まで上昇する。ここまでくると空は晴れ上がり、下界は雲海となる。

食事サービスが始まる。12:45頃、右手にフッド(3424m)、セントヘレンズ(2500m)、レーニエ(4392m)の3火山が見える。いずれも雪を頂き、神々しい。特にレーニエの荒々しい氷壁が印象的だ。13時頃、ワシントン州の端のオリンピック山地が見えてくる。彼方にはカナダとの国境に近いベーカー(3285m)も見える。やがて、国境を越え、眼下にヴァンクーヴァー島が広がる(島と言っても九州くらいの大きさがある)。雪山を眺めていると飽きることがない。やはり、北米からの帰国便はK席にして正解だ。食後、歯を磨いて寝る。少し呑みすぎたようだ。

*1:これを見ても、アメリカではB747の姿がめっきり減ったことを感じる。成田空港や羽田空港は世界で最もB747を見られる空港だろう。

*2:その後、ユナイテッド航空のホームぺージで調べたところ、企業再生手続は2月2日で完了し、晴れて持株会社UALコーポレーションの株式が米国NASDAQ市場に上場されたとのことだ。ご同慶の至りである。