沈没戦闘艦

これまで、ビスマルクインディアナポリス、大和の沈没の物語に接してきたので、第2次世界大戦で沈没した各国の著名戦闘艦の運命をまとめてみた。沈没した順に、ドイツの戦艦ビスマルク、英国の戦艦プリンス・オヴ・ウェールズ(PoW)、日本の戦艦大和、米国の巡洋艦インディアナポリスである。

ビスマルク PoW 大和 インディアナポリス
基準排水量(t) 42,600 39,100 65,000 9,800
全長(m) 242 227 263 186
全幅(m) 36 31 39 20
沈没地点 map:x-16.12y48.10 map:x104.27y3.34 map:x128.04y30.43 map:x134.48y12.02
沈没年月日 1941/5/27 1941/12/10 1945/4/7 1945/7/30
攻撃開始 8:44 12:45 12:32 0:02
沈没時刻 10:39 14:50 14:23 0:14
戦闘時間 1:55 2:05 1:51 0:12+
攻撃手段 水上艦 航空機 航空機 潜水艦
命中砲弾 400 - - -
命中爆弾 - 2 5 -
命中魚雷 3 7 10 3
乗組員 2,206 1,612 3,333++ 1,196
生存者 115 1,285 276 316
生存率 5% 80% 8% 26%
艦長 戦死 戦死 戦死 生存+++

+インディアナポリスは、攻撃者の正体もわからず反撃の機会なく沈没している。
++大和の乗組員数は諸説ある。取り敢えず、複数のソースがある数字を採用した。
+++軍法会議の結果、インディアナポリス沈没の責任を一身に背負ったチャールズ・マクヴェイ元艦長は、1968年11月に自殺。死後32年たった2000年10月に名誉回復を得ている。


これを見ると、巨大戦闘艦に致命傷を与えたのは魚雷ということになる。*1インディアナポリス以外の3艦は、いずれも2時間前後の防戦の末、沈没している。猛烈な艦砲射撃に晒されたうえ、僚艦の救助も得られなかったビスマルクの犠牲者が多い。僚艦救助が得られた大和の生存率が低いのは、沈没直前に大爆発を起こしたからか。単独航だったインディアナポリスの生存者が比較的多いが、彼らのたどった悲惨な運命は周知の通りだ。最も幸せだったのは5人に4人が僚艦に救助されたPoWの乗組員だろう。
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20040424
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20050902
http://d.hatena.ne.jp/Wilm/20051220

*1:ビスマルクへの致命弾は1発もなく、自沈したとの見方もある。3日前にビスマルクの放った38cm砲弾1発で旗艦フッドを轟沈されておきながら、400発の命中弾でもビスマルクを撃沈することができなかったわけで、大英帝国海軍の自尊心はいたく傷ついたことだろう。