ワールドタンクミュージアム

会社の隣のコンビニに「ワールドタンクミュージアム」(WTM)があった。開いてはいるが10個揃った箱があったので大人買いする。WTMを買おうと私の後にこの店に来た人には、この場を借りてお詫びする。以下、レビューである。

パンターG型】
WTM3回目の登場。WTM第3弾のG型は極端なオーバースケール(約1/138)だったのだが、ほぼ正確な縮尺になった。パンターは食傷気味ではあるものの、どうせなら、私の好きなA型も出してもらいたい。

ヴィルベルヴィント
初登場。IV号戦車J型を車台にした車輌を再現したつもりらしい。WTM第1弾のJ型の車台とは異なるので、新たに造型したようだ。しかし、車高と砲塔がオーバースケールで、かなり頭でっかちに見える。WTM第7弾のIII号戦車J型の50mm砲より太い20mm機関砲が4連装なので大迫力だ。砲塔の装甲は約1mmあるので、実物大だと144mmとティーガーII並みの重装甲である。だいたい、わずか122両しか生産されなかった異形の対空戦車を製品化するくらいなら、もっとIV号戦車本体の製品化に力を入れてもらいたいものだ。第2次世界大戦の全期間を通じて8,500両以上が運用されたIV号戦車こそ、名実ともにドイツ戦車の代表なのに、*1WTM本編で製品化されたのは、第1弾のJ型のみというのはいかがなものか。*2

【M10偽装パンターG型】
今回出たG型とは別に型を起こしたようだ。ご苦労なことである。こういう企画がアリなら、捕獲戦車特集でもやったらどうだろう。

M4A3】
私は、M24*3以外のアメリカ戦車にはまったく愛を感じないので、どうでもよい。M4は、WTM第1弾のA1で十分である。

【IV号駆逐戦車/70(V)】
初登場。やけに平べったく見えるのだが、意外なことに、車高・車長方向はほぼ正確な縮尺で、車幅方向がアンダースケール(約1/159)である。もっと平べったいのか、実車は。

【M8/M20】
初登場。実車に関する興味も知識もないので、ノーコメント。

【シュヴィムヴァーゲン】
初登場。実は、今回一番期待していたのがこれだった。しかし、まったくの期待外れに終わった。WTM第3弾のキューベルヴァ―ゲンと同じ造型師の手によるものとは思えない。まず、車輪がいくら何でも太すぎる。また、スコップや櫂はもとより、バックミラー、前照灯、尾灯などの車外装備品がきれいさっぱり再現されていない。唯一の例外はスクリュー装置だが、取付位置が低すぎるうえ、回転方向が実車と違う(X軸を中心に回るが、実車はY軸が中心。そうでないと、車内から揚げ降ろしできない)。極めつけは後部座席で、ベビーカーシートを装着しているようにしか見えない。乳幼児を連れて行軍する際の仕様らしい。

ティーガーII】
おそらくWTM第2弾のティーガーIIの塗装換えだろう。

*1:私の知人の知人のドイツ人は、IV号戦車の通信手だったそうだ。私の縁故者(面識はないが)にIV号戦車の元乗員がいるというだけでも、いかにIV号戦車が多かったかわかろうというものだ。

*2:メーカの名誉のために付言すると、WTMの番外シリーズ「対決編」のIV号戦車H型は、あらゆる食玩戦車の中で最高傑作と言ってよい出来である。

*3:子供の頃、田宮模型のワールドタンクシリーズのM24がほしかったのに買ってもらえず、大西将美の美しい箱絵とともに、永遠の憧憬となっている。