JL62便の旅

機長の機内放送によると、時速200kmのジェット気流に乗るため、かなり南寄りのコースを取り、所要時間は1時間短縮されるとのこと。さっそく、買ったばかりのジェプセンの航空路図を広げると、最も南寄りの航空路はG344なので、これに乗るらしい。18時過ぎに水平飛行になる。ナビゲーションマップによれば、高度FL350、時速646マイルだ。

食事は、鯛がおいしそうだったので洋食にする。案の定、悪くない味だ。食事をしながら、映画「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」を観る。面白い。が、食後すぐ寝てしまった。23時頃、目が覚める。3時間くらい寝たか。ナビゲーションマップを見ると、高度はFL380。燃料消費とともに上昇したようだ。画面表示が正しければ、航空路はB327、西経150度、北緯57度あたりのところだ。

歯を磨かずに寝てしまったので、起き出して、歯ブラシセットをもらう。ついでに、客室乗務員に「あのう、子供のお土産に飛行機の模型がほしいんですけど。」と頼む。子供とは自分のことである。席に戻ってから、開けてみると、以前のものよりだいぶましになっている。芸が細かいことに、主翼にJA8088の登録番号のシールを貼るようになっている。機内に置いてあった絵葉書の写真もJA8088だったので、この新塗装1号機を広告宣伝に使用しているらしい。

やがて照明が点灯し、朝食になる。和食を所望。鮭と温泉卵がおかず。おいしい。ひょっとすると、食事は全日空よりよくなったかもしれない。

ナビゲーションマップによれば、サンフランシスコのかなり沖を通過してしまうようだ。下は雲海で何も見えない。残念。せっかく左側の席だったのに。9:40でFL370。9:50頃、ようやく陸地が見えてきた。モントレーのあたりだ。主翼が邪魔で真下の景色はよく見えない。サンアドレアス断層に沿って南下。

やがて、ロスアンジェルスの上空に達する。宿泊地のセンチュリーシティやハリウッドの看板が眼下に見える。右に旋回し、例によってスモッグの層の中を降下していく。10:35、ロスアンジェルス国際空港の24Rに着陸。よかった。事故はなかった。JA707Aがスポットインしていくのが見える。先行していたNH6便だろう。当機も10:47に101番ゲートにスポットイン。定刻より約30分早い到着だ。

外国人用の入国審査は長蛇の列だった。当便、NH6便、関空からのJL60便、さらに南米からのフライトが輻輳したようだ。しかも、指紋や容貌のチェックがあるので、一人当たりの所要時間が長くなっている。1時間近く待たされる。これでは、フライトが早く到着した意味がない。