高松

今日も暑い。朝食後、レンタカーを借り出す。今日の車種はストリーム。ブレーキペダルの踏み込みが深くて運転しにくい。昨日までのオデッセイといい、一体どういう設計思想に基づいているのだろう。富士重工の車に乗っていると、他社の車には乗れなくなる。

今日は、私の感傷旅行だ。まず、小学校2〜5年生の頃に住んでいた古高松へ行く。地図で調べておいた通り、官舎はアパートに建て替えられていた。しかし、隣家がそのまま残っていたので、我が家のあった土地が同定できる。官舎の西と北を囲っていた石垣もそのまま残っている。東京からここに移り住んだのは今の次女の年で、金沢に転居したのが今の長女の年だから、すべてが小さくなってしまっていた。しかし、屋島と五剣山(八栗)の姿は昔のままで、一挙に34年前に引き戻された。蒸気機関車が走っていた高徳線の線路もそのままだ。

続いて、通っていた市立古高松小学校へ行く。あいにく、校門は閉ざされて校内に立ち入れなかったが、幸い、校庭は開放されていた。ユーカリの木がちゃんと残っている。傍らの説明板によると、樹齢約100年の古木で、高松市の名木に指定されたとか。このあたりからも、「八栗、屋島の雲晴れて」という校歌のままに、八栗と屋島がきれいに望めた。

次に宝太郎山(当時はホータロサンと呼んでいた)に上る。車で行けるところまで行くと、神社の直下に出た。神社の裏の石段を登ると頂上だ。高松市街、屋島、八栗、瀬戸内海が望め、絶景である。ここでも、昔の記憶と視界がぴったり重なった。

宝太郎山を下り、少年の頃、何度も登った屋島へ向かう。屋島ドライブウェイを上る。当時は家に車がなかったから、この道は初めてかもしれない。途中の展望台で壇ノ浦の古戦場や八栗を望む。八栗は、庵治石の石切場にかなり侵食されて痛々しい。枝條下式の塩田もすべて姿を消し、住宅地になっている。頂上の駐車場に車を置いて、ドライブインで昼食。食後、四国八十八カ所札所84番の屋島寺に参拝する。獅子の霊巌へ行き、童心に返ってカワラケ投げをする。娘たちにカワラケを投げさせるとは思ってもみなかった。その後、北嶺に向かう。大汗をかいた末、北端の遊鶴亭に到着。320度に瀬戸内海が広がる。東には小豆島が大きな姿を見せ、西には昨日渡った瀬戸大橋が望める。

駐車場に戻り、下山。屋島を一周する。長崎鼻に下りたかったのだが、道が細かったので断念。蒲生の町で砂浜に下りて満足することにした。18時頃、ホテルに戻る。